停電の夜に星空が広がった。暗いけど明るい!島では時々ある計画停電なるもので、こうなると不意な出来事もなんだか得した気分になる。暖かい格好をして少しの間夜を眺めた。
島に暮らすようになってからは、こうして空を見上げることが多くなったと思う。空も、海も山々に出会って、いつも一人で夢中になっていることが多いわたしだから、その感動を誰かに伝えるようにジュエリーを作っていきたいと思っている。
お二人の結婚指輪は、島の暮らしで出会う空と海、浜辺をイメージして作り進めてきた。プラチナとシャンパンゴールドの組み合わせはとても穏やかで優しい。すっかり気に入って、また挑戦したくなっている。どちらかというと、色のコントラストが小さくて溶け込むような感じにグッとくる。彼女と彼のリングは表に多く見える金属と裏側にくる金属を互い違いにレイアウトしているけれど、隣り合って一つになっているゴールドとプラチナがお二人の姿ともなんとなく重なっていて。小さなフォルムの中にキュッと物語が詰まっているような指輪だなと思えてくる。
いよいよラストタッチとなったお二人の指輪作りを、今日はほんの少し名残惜しくも感じながら。
山々にリングをかざして、時折リングのアウトラインをチェックする。
プラチナが表面に、側面から裏面にかけてはシャンパンゴールドを。お二人が選んでくれたのは柔らかなラウンドシェイプ のデザインだ。しずくギャラリーでお会いした夏の日が懐かしい。
リングからときおり島の風を感じてもらえると幸せだし、またここで会えると嬉しい。
コンビネーションのリングには、2種類の金属の存在を確かに感じたいという思いと同時に、その二つが溶け合うように一緒になっていてほしいという思いがあるかもしれない。
外からの目線というよりかは、自分たちだけが知っているような感覚。内側に向かうような感覚を求めると、生まれてくるリングの表情も変わってくる。
お二人のつながりを感じるような、温度感のあるリングに仕上げていきたい。
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