光をいっぱい差し込む雲の切れ目を探して、お揃いのデザインが重なり合うようにして、出来上がったお二人の結婚指輪を水辺で眺める。
静かに、力強く躍動するリズムに心柔らかになる。
流れと巡り、煌めきと。
水の巡りにまつわる結婚指輪作りは屋久島での出会いから始まった。水もそうだけど、出会いや季節もまた巡る。
ほんのちょっとしたタイミングが違っていたらまた全然別の物になっていたのかと考えると、今この瞬間がとても貴重に思えてくる。お二人との素敵な出会いにありがとう!
指輪作りの間は窓の向こうに架かる虹を眺めながら。屋久島の爽やかな冬を丸ごとかけた指輪作りだったなあ。
雨が降って山々から川が流れ、海にたどり着いて、雲に虹に、そしてまた雨に。指輪作りでお二人と共に抱いてきたのは水の巡りにまつわる物語だ。大切にしていることや想いを誰かと分かち合えることは何よりも嬉しい。海を離れた距離よりもずっとずっと近しさを感じられるし、仲間ができたようで心強くなる。
そういえば、屋久島に暮らしはじめたのはまさにそんな場所だったのをよく覚えている。始まりと終わりはいつも海で、川で集い、山でいただいた薪を炊いて水を沸かすような。
今日はそんな始まりの風景を指輪とともに辿って。
川と海が出会う場所にて。
そっとリングを手に取ってみる。小さいけれど、二つのリングからプラチナの重さが確かに伝わってくる。水面がきらきら。流れるようにリングをくるりと描くラインは、こうやって横から眺めるのも楽しい。お二人お揃いのプラチナでお揃いのデザインだ。リングの中で複雑に重なり合うラインが強調されたり和らいだりして見えるのは、表面に施したキラキラ輝くテクスチャーによるものだろう。お二人と一緒に歩んだデザイン作りの日々が懐かしく思い出される。
ここにずっと佇んでいたようにも思えたお二人のプラチナリング。お二人の大切な想いと屋久島の季節、愛おしい出会いから生まれた、一つだけの結婚指輪だと思う。
始まりでもあり、永遠でもある。お二人の暮らしに寄り添うように、じっくりと手作業で作りました。
そういえば、お二人とはしずく繋がりでもある。彼が作っているワインをクリスマスにいただいたり、屋久島ではタンカンジュースを一緒に飲んだり、そんないろいろも今となっては素敵な思い出に。
そしてこちらでは桜の花も咲きはじめました。
指輪作りはこれで終わりになるけれど、また新しい一歩を踏み始める時ですね。
またいつか、やわらかな巡りの中でお二人にお会いできると嬉しいです。
ご結婚おめでとうございます。
楽しい結婚指輪作りをありがとうございました!
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