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繋がる、暮らしに寄り添うリング。屋久島の季節とシャンパンゴールドの結婚指輪作り。

 

冷たいながらもモワッとした湿度を感じ始めたら、島に春が近づいてきた合図。薄い雲が低いところを足早に通り抜けてまた次の雲が山々を白く包み込む。同じなのにいつも新しい、窓の向こうの情景に今日もまた魅せられている。

 

 

アトリエではシャンパンゴールドの結婚指輪作りを少しずつ、少しずつ。

 

シャンパンゴールドと海と雨音と。屋久島リズムでお二人の結婚指輪を作ること。

 

シャンパンゴールドのリングは表面を鉄鋼ヤスリで削り出すと、強くてフレッシュな輝きが現れる。最後は安定的に仕上げるのだけど、使ううちに光沢を帯びたり、曇ったりを繰り返す表情にも出会うことができる。長い時間の中で、不意に何かの発見があるのもまた素敵なことだろう。

 

 

彼のリングに続いて彼女のリングも丸く軽やかになった。

 

秋の屋久島でお会いした時は、お二人は島に着いたばかりでアトリエに来てくれて、指輪のことだったり山歩きのことをでワクワクだったのをよく覚えている。違っている二人なのに優しく混ざり合って一つの個性をもっているようだった雰囲気の中で。

 

 

お仕事中は案外手作業がいっぱいなのだろうな、と考える。リングの造形を通してなら海の向こうの暮らしを思い繋がることができる。

リングの内側は丸く削り出して柔らかにした。リングもまた、目に見えない時も、その存在を心の奥に感じることができると素敵だなと思う。

 

 

さて、気がつけばもうこんなところまでやってきた。なんとなく名残惜しいような気もするけれど、力一杯作業の歩みを進めていこう。火をかけて柔らかにして、リングに穏やかなカーブを与えよう。そして造形がひと段落したら、また海に出かけてお二人のリングを眺めたい。

 

庭先に咲いた今年最初のシロツメクサ。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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