すぐご近所さんのお二人も、きっとお同じ冬の情景を眺めている。
窓の向こうに見えた山々、散歩道に出会うすみれの花。
雨上がりの屋久島サウスに雫がたくさん佇んでいる。
まだまだ冷たい雨だけど、春はもうすぐそこまでやってきているのだ。
お二人の結婚指輪は屋久島に訪れた春の予感とともに作っている。開花を始める花々や強く吹き続ける潮風のリズムに寄り添い進めるジュエリー作りの時間はとても穏やか。寒いけれど心温かになる。
このリングが出来上がってお二人にお届けする頃は島は光り輝いているのだろうなと、近い未来に思いを巡らせながら。
お二人は半年ほど前から島に暮らすようになったと聞いて、なんだか懐かしい気持ちになった。
そうか、わたしも屋久島に暮らすようになってもう10年以上がたっているのか。10数年だけど、詳しくはわからない!
くるりと一周してまた新しい始まりに戻ってこれたように思えた。
アトリエに訪ねてきてくれてありがとう。大切な指輪作りをお任せいただいてありがとう。
さてさて、今日のアトリエでは彼のプラチナリングを叩いたり、熱して曲げたり。
コンコンコン。アトリエに響く手作業の音が好きだ。
1000度以上に熱したプラチナリングは真っ赤な円形を描き、それ自体が炎のようにも見える。ことのき肉眼では直視できないので目は遮光のサングラスで覆っている。ゴールドの作業ではふわりと柔らかな炎を使っていたのに!きっとパートナーもそうなのだろうと思う。一見近しく感じることの奥には味わい深い違いがある。
そして、違っているから出会い、一つになれる繋がり感。
そういえば、お二人はどんな出会いだったんだろう。ふとそんなことを思いながら、作業台の上に造形のひと段落した2本のリングを眺めている。
夕暮れ時になって広がったクリアな空をお二人も眺めているのかな。これからぐっとぐっと寒くなる合図です!
わたしも作業でアトリエに篭りがちになりますが、こんな時はタンカンを食べて、本でも読んで、まあゆっくりといきましょう。
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