屋久島のお住まいのお二人と結婚指輪の相談会。
アトリエでは山茶花が満開です。
彼が紙いっぱいに描いてきてくれた、理想のリングデザインに感動しました!
シンプルで特別な、お二人だけのデザインが生まれたように思います。
お二人との素敵な出会いに、ありがとうございます!!
オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547
屋久島のお住まいのお二人と結婚指輪の相談会。
アトリエでは山茶花が満開です。
彼が紙いっぱいに描いてきてくれた、理想のリングデザインに感動しました!
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アトリエの庭先に、メジロたちが集まってきている。
一年ぶりに眺めるそのフォルムは、コロリとしてなんとも愛らしい。
ほんと、ため息が出るくらいに。
作業の合間、山茶花の生垣を素早く行き来する様子を窓際から眺めると、すぐにその気配に気がついて飛び去ってしまう。
しばらく作業に没頭し、「そろそろかな」という頃、またそっと窓の向こうを覗いてみる。
いつもの冬のリズムである。
お二人と屋久島のアトリエでお会いしたのは、6時を過ぎてもまだまだ明るさが残る、夏の新月の日でした。
あれから時が過ぎ、いよいよ結婚指輪作りが始まったのですが、気がつけば、日没がすっかり早くなっています。
山茶花にツワブキ、そして北西の風。
大好きな冬の屋久島を慈しみながら、お二人の結婚指輪を作っています。
島もずいぶんと寒くなってきたけれど、そういえば、熱いコーヒーがひときわ美味しく感じられるようになった気もする。
分厚いフリースを着込んで、えいっ!と思い切りよく散歩に出かけると、美しく澄み切った景色に出会えたりもする季節だ。
そんな何気ない日常で出会う、さまざまな事象が持つ側面のようなものを、リングにも表現することができれば素敵だろうなと、思いを巡らせながら。
さて、今日も作っている。
お二人が選んでくれたピンクゴールドを、リングの形へと少しずつ作り進めていく。
ピンクゴールドは、反発する力が大きい素材なので、バーナーの火を回しながら、ピタリと両端が組み合わさるようにテンションをかけていく。
しかも、より高温での作業が必要になるので、溶けてしまわないよう最大限の注意を払わなければならない。
ピンクゴールドは意外と扱いの難しい素材で、指輪作りはいきなりのクライマックスを迎えたところだ。
表面をざっと薄く削り落としたところで、ほっと一息。
作業を始めてからずっと黒い幕に覆われていたピンクゴールドに、ここで再び輝きが宿った。
シックであり、雅やかである。
ピンクゴールドが持つ、生の色彩だ。
それにしても、結婚指輪を作っていると、ついついこうやって重ね合わせたくなるんですよね。
彼のリングの上に彼女のリングを乗せると、ぴたりと合わさって、なんだかほっこりしたワンシーンでした。
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お二人の結婚指輪作りを始める前、いつものビーチでピンクゴールドを眺めていた。
その二本の細い金属は、夕暮れ時の光を受け柔らかな輝きを放ち、包まれる波の音に溶けていきそうだった。
冬の北風が運ぶ波が浜辺に打ち寄せて砕け、小さな砂粒一つ一つがオレンジ色に輝いている。水面に映る光はゆらめきながら、太陽へと続く一本のラインを描いていた。
「さあ、いよいよお二人の結婚指輪作りが始まるのだ。」
静かに胸を高鳴らせながら、わたしは思った。
翌朝になると、早い時間から作業机に向かい、炎に包み焼きなましたピンクゴールドを鉄のプレートの上に乗せ、金槌で叩き始めた。
コンコン、コン、とアトリエに響くのは、はるか昔からずっと変わらない、手作業の音だった。
その温もりのある音の一つ一つが、とても心地よく感じられた。
1本のピンクゴールドには、太い部分と細い部分が生まれるように、強さと回数に変化をつけながら、何度も同じタッチを繰り返していた。
こうして、小さなタッチが幾重にも積み重なり、一つだけの形が育くまれていく。その時間のすべてが、なんとも愛おしく感じられる。
浜辺で感じていた、キラキラと輝く光、そして水の一粒一粒。
世界を包み込んでいた大きなリズム。
光とリズムのイメージが、今この手の中にある。
夏の終わりのアトリエで、夕方暗くなるまでお二人と夢中になって語り合っていた日のことを、懐かしく思い出していた。
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いとこのパートナーである彼女に、ルチルクオーツの指輪をお作りするのは、夏の終わり頃からの約束だった。
デザインがすでに形になっていたので、始めようと思えば取り掛かることができたのだが、なんとなく作りそびれてしまっていた。
もっと踏み込んだアプローチができるだろうとか、新しいデザインに仕上げたいとか、表現的挑戦が先に立って、つい手が出にくくなっていたのだ。
わたしは、天然石というものが、もともと大好きである。
水晶とか、蛍石とか、ルビーとか、ダイヤモンドとか。インディアンジュエリーのターコイズとか、石の中にできる紫水晶の結晶とか。
石を眺めたり手に取ったりしているだけで、心が安らぎ、不思議とワクワクするのだ。
石そのものを、石だけで収集するのも好きだったし、それが高じてジュエリー作りを始めるようになったと言っても過言ではない。
そんなわけで、彼女からルチルクオーツのリングをリクエストいただいた時点で、作ってみたいジュエリーのイメージが広がり過ぎてしまって、「ああ、どのスタイルで仕上げていこうか!」と右往左往してしまったのだ。
それから、彼女と話をしていて、思い描くジュエリーの様式が私の好みとかなり近しいものだったのも、この制作を大切に温めておきたい気持ちを強くさせた。
お互いにお気に入りだったのは、インディアンジュエリーのように心に響く力強さがありつつも、上品な技巧を凝らして作られた、洗練されたジュエリーだった。
これはこれで結構凝った趣味だと思っていたけれど、こんなに近しいところに、同じイメージを共有できる人がいるとは思ってもいなかった。
今回のジュエリー作りは、まず、シルバーとゴールドを溶かし、材料となる地金を作るところから始めた。
シトリンを囲むゴールドと、リングとなるシルバーに十分足りる量を用意してから、一気に作り進めていくといった感じだった。
でも、ゴールドでシトリンを包み込む石枠を作っている時点で、もうかなり入り込み過ぎてしまっていて、結局、作業の途中に写真を何枚か撮影しただけで、あとはずっと作業に没頭し、机に向かいっぱなしだった。
シルバーリングの中央に、ゴールドの粒々の装飾をあしらった、クラシックなデザインである。
元来、この粒々はもっと小さくて繊細に表現をするものであるけれど、「もう少しコロリと可愛い感じにならないかな」と、長い間ずっと思っていた。
それが、いとことパートナーの彼女とのジュエリー作りで、初めて形になったわけである。
パッションにしてもインスピレーションにしても、オーダーメイドのジュエリー作りでは、想像を超える何かに出会うことができるという、贈り物のような時間である。
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ニュージーランドに結婚指輪のサンプルリングをお送りする。
もし、海や森が大好きなら、ニュージーランドは屋久島と同じように、一度は訪れてみたい場所だろう。
少しだけご紹介すると、お二人は今、ニュージーランドで暮らしており、海の向こうから結婚指輪づくりのお声がけをいただいた。
ジュエリーやその周辺の暮らしについては、いつもインスタグラムで見てくれていたと言ってくれて、とても嬉しかった。
わたしが、ツワブキの花が咲きましたよ!と投稿すると、その感動を一緒に分かち合うことができる。
これは今の世界が持つ、とても素晴らしい側面のひとつであるように思う。
お送りするサンプルリングは、リクエストいただいたデザインを、お二人のサイズに合わせて作ったものである。
今回の指輪づくりでは、屋久島の暮らしでも馴染み深く、ニュージーランドでは象徴として愛されているシダの葉模様がテーマとなっているのだけど、そのシダの葉の彫刻模様をお試しいただけるよう、2本のリングを追加して揃えた。
サイズはご指定いただいているものの、せっかくの機会なので、もう一度しっかりとサイズを確かめていただけるよう、サイズゲージも同封し、いよいよニュージランドに発送をすることになる。
さて、お二人とご一緒する結婚指輪作りは、およそ9000キロの距離を繋ぐように始まったのだけど、このようにして荷物をお送りしたり、メールでメッセージや動画を送り合いながら、少しずつ歩みを進めていくことになる。
出来上がったリングは大切に梱包をし、国際郵便でお届けすることになるかもしれないし、
もしかすると、日本にお帰りのタイミングに合わせて、どこかでお会いして直接お渡しできるかもしれない。
地図で眺めると、とても遠い場所のように感じられるけれど、ここには、お互いの心音というか、大切な想いのようなものが、すぐ隣り合わせになっている。
お二人と一緒に育んでいるデザインは、イメージとして確かにここにあるが、形になっているものは、まだ何もない。
これからプラチナやゴールドを使い、コンコンと手作業で、わたしが実際に作り上げていくことになる。
庭先には黄色い花がポコポコと咲き始めている。
シダの葉の緑は力強く、屋久島サウスの暖かな風にふわふわと揺られている。
これから訪れる冬の深まりと共に、お二人の結婚指輪を作り進めていくことになる。
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