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2024年の百合を眺めながら #屋久島日々の暮らしとジュエリー

白い百合が咲いて思い出しました。

光が強くなってきて、雨もたくさん降って、潤いに満ちたなんとも屋久島らしいこの季節のことを。

庭先から漂ってくるほのかに甘い香り、濃い緑の感じ、ジュエリーを作っていても集中が深まっていくのがわかるのです。

日々の変化が美しすぎてカメラを持って走り回っていたりする夢中な感じ。

インスピレーションはいつも暮らしの中にある。

島に移り住んでジュエリーを作ることにしたあの頃と同じ高揚感が、この湿度や香りが引き金になって蘇ってくるのがわかりました。

 

 

大阪-屋久島 素敵な出会いにありがとう、結婚指輪のオーダーメイドが始まる日 #屋久島でつくる結婚指輪

 

降り続いていた雨がぴたりと止んで晴れ間が広がったのは、お二人が相談会に来てくれる日の朝のことでした。

これを書いている今はきっと縄文杉に向かって頑張って歩いている頃だと思います。

 

アトリエを少しご案内してからさっそく席に着いたのですが、

あるサンプルリングにすっとお二人の視線が向いたのが印象的でした。

 

ツワブキの花の指輪。シダの指輪。

「インスタグラムでずっと見てて!むっちゃ可愛いです!」とお二人が言ってくれて感動でした。

 

それにしても久しぶりの大阪弁には和みます。

遠くから会いに来てくれてありがとう!!

 

彼女にはお二人にとって大切な思い出となっている花のリングを。 色合いと素材使いにつながりを持たせながら、彼のリングはシダの葉をモチーフにしてお作りすることになりました。

 

デザイン作りがひと段落して冷たいたんかんジュースを用意していると、

なんだかずっと楽しそうに笑っているお二人。

そのふわりとした雰囲気が、ずっとずっと前の自分と重なり合ったり。

鶴見緑地だったり、伊丹だったり、天六だったり、

なんだかちょうど屋久島に来る前のことを思い出して、懐かしくなってしまいました。

 

素敵な出会いに恵まれて、

ジュエリーを作っていてよかったな、としみじみ思います。

感謝の気持ちでいっぱいです。

 

お二人の溢れる幸せの、小さな印のようなリングを作りたい。

そう考えてワクワクしている自分がいます。

 

自然や植物を愛する仲間でもあるお二人とご一緒する結婚指輪作りです。

優しい時間になると思います。

みなさまどうぞあたたかく見守っていてください。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

変わらないもの、大切なこと、お二人の幸せな結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島サウスのアトリエです。

プラチナの作業温度は約1000度以上となかなかに高い。

酸素トーチの青白い炎で囲むとプラチナは真っ赤なリングに姿を変える。

十分な温度を保ったところで繋ぎ目に融点の少し低いプラチナを流し入れて溶接する。

何度も繰り返してきた作業ではあるけれど、うまくいくとほっとする。

はるか昔からずっと変わらない手作業である。

 

 

プラチナとピンクゴールドに少しずつ息吹が与えられていくのを前にできるのは作家ならではの幸せだと思う。

喜びを分かち合いましょう。

咲き始めたハイビスカス、プラチナとピンクゴールドのお揃いデザイン、ノマドカフェさんでチースケーキ #屋久島でつくる結婚指輪

 

このような手作業は、あるいは今後希少なものとして受け継がれていくものになるのかもしれないけれど、

それでも、オーダーメイドのジュエリー作りでは答えはいつも私たちの中にあって、

「大切なことはこの先もずっと変わらないのかもしれないのかな」

とも思う。

 

お二人にはクリスマスにネックレスをお届けしたし、春にはアトリエでお会いすることもできた。

デザインのことはもちろん、お仕事のことや新しく始まる暮らしのこともお話をしながら生まれたイメージがいよいよ形になっていく。

お二人の幸せな結婚指輪作りはいかに。

 

彼女のリングもくるりとなって、庭先で2本のリングを眺めてみる。

緑の中にピンクゴールドとプラチナがとても綺麗でうっとりしてしまう。

ツユクサのブルーともこんなにも馴染んでいるのは、

やはり金属も同じ大地から生まれたものであるなあ、としみじみ。

 

いつも不思議に思うのだけど、ツユクサに出会うとなんだかいいことありそうな気がする。

静かに高揚する心持ちで作業机に向かいプラチナリングの造形作業を始める。

ここからは前に進むと戻ることのできない工程だ。

慎重にタッチを積み重ねながらも、大きな流れを生み出していかなくてはならない。

 

とても小さなリングの中に永遠のリズムを眺めているのも面白い。

鉄鋼ヤスリを持つ手を止めることなく動かしていく。

散らばるプラチナの破片がデスクライトの光を受けてキラキラと輝いていた。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

咲き始めたハイビスカス、プラチナとピンクゴールドのお揃いデザイン、ノマドカフェさんでチースケーキ #屋久島でつくる結婚指輪

屋久島サウスのアトリエです。

晴れ間が広がるうちにやっておきたいことは多い。

 

庭先にはハイビスカスが呼吸を合わせるように一斉に咲き始めたので、

作業を始める前に木々の剪定を行うことにした。

これからの季節、島では増し続ける植物の勢いとのせめぎ合いとなる。

もっとも、夏頃には完全に圧倒されてしまうのだけれど。

 

それにしても、植物と触れ合う時間はいつも心を穏やかにしてくれる。

いつの間にか静かに凪いだ気持ちで作業机に向かう。

一日の制作の始まりだ。

 

 

2024年の春とともに鹿児島に暮らすお二人にお届けする結婚指輪を作っている。

2024年の春, 鹿児島にお暮らすお二人との結婚指輪作り #屋久島でつくる結婚指輪

 

新しい暮らしを始めるお二人と指輪作りをご一緒できる。希望に溢れる日々。

新年度の始まりでむっちゃお忙しいところ、お付き合いをいただきましてありがとう!

鹿児島から海を渡ってアトリエに来てくれたお二人と、待ちに待った結婚指輪作りの始まり #屋久島でつくる結婚指輪

 

お二人はぴたりとお揃いのデザインを選んでれたのだけど、

彼は少し太くして、彼女は細身のシルエットで、素材もお互いの好きな色でお作りすることにした。

 

とても近しいフォルムではあるけれど、それぞれのリングに然るべき調整を加えながら造形作業を進めていかなくてはならない。

 

彼女のピンクゴールドはしなやかに軽やかに。彼のプラチナは丈夫に頼もしく。

お二人の手にすっと馴染むようになって初めて二つのリングは確かな繋がりを持つことができるように思う。

 

お二人のために配合したプラチナとピンクゴールドは、くるりとリングにする前にその横幅に抑揚を与えておく。

金槌で両端から中央に向けて強く打ち付けて厚みにグラデーションをつける。

打ち付けて生まれた凸凹を鉄鋼ヤスリで大きく削り取り整えておく。

 

一番最初にしっかりと手を加えておくのは料理で言うところの下ごしらえのような工程かもしれない。

こうしておくと、リングになった時にそのアウトラインに自然な抑揚が生まれるのだ。

 

まずは最初の第一歩、と言うところだろうか。

コースを外れずにしっかり踏み出せたように思う。

プラチナとピンクゴールドの削り出されて現れたピュアな輝きを作業台の上に眺めていると、ほんの少しではあるけれど、そこに芽生え始めた息吹のようなものを感じ取ることができた。

 

さて、みなさま。このゴールデンウィークはいかがお過ごしになりますか?

こちら屋久島では旅ムードも盛り上がってきているので、わたしは一足先にノマドカフェさんでチーズケーキと熱いカフェオレをいただいて癒されました。

もしかすると、そろそろアイスコーヒーも美味しい季節かもですね!

長いお休みをお過ごしの方も、お仕事の方も、

どうぞ素敵な春の日々を。

 

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

屋久島サウスのアトリエで結婚指輪の相談会, 海を感じるデザインに出会う #屋久島でつくる結婚指輪

 

宮崎から会いに来てくれたお二人と。

久しぶりの晴れ間が広がった屋久島サウスのアトリエで結婚指輪の相談会を開催しました。

 

咲き始めたハイビスカス、集まってくる蝶々たち。

素敵な島時間でした。

海のことや、お二人の出会いについても少しお話しできました。

 

アトリエではテーブルの上に並べたたくさんのサンプルリングを手に取りながら、

素材のこと、デザインのこと、サイズを合わせも、

お二人の暮らしに沿うようにじっくりと選んでいきました。

 

向かい合わせになって、

呼吸というか、

手触りを共に感じながらデザイン作りができるところが相談会の嬉しいところです。

 

アトリエにやって来るまでは、まだふわりとしたイメージだったけど、

実際にリングを手に乗ってみると、大きな海の流れに導かれていくようにお二人のデザインに辿り着くのが不思議です。

 

それはまるで最初からお二人のためにここでずっと前から用意されていたみたいに。

つくる、というよりかは出会った、というような感覚だったのが印象的でした。

 

実は、彼女とはもう10年以上も前に一緒に海に入って波乗りをしていたこともわかったりして!

デザインとはまた違ったお話ではあるけれど、

そのようなささやかな時間もまた、エッセンスとなってお二人のリングを形作ってゆくのだと思います。

 

はるか遠い国で出会い今は宮崎で暮らすお二人と、屋久島とわたしと。

大好きな海がつなげてくれた指輪作りなのかもしれません。

 

ともあれ、我々は小さな船に乗って最初のオールを漕ぎ始めました。

島の季節の中で育まれる指輪作りをどうぞあたたかく見守っていてください。

 

波の音や月の満ち欠け、潮風も、

いつも海で感じているリズムのようなものの、

その小さなかけらみたいなリングをイメージしながら。