屋久島サウスのアトリエです。
彼のサイズは14号、彼女のサイズは7.5号。サイズはぴたりと合わせてゆく。
結婚指輪づくりの最初の第一歩はプラチナの角ばった線をハンマーで叩くところから。
あるいは、本当の始まりはお二人と出会って、お話をして生まれたイメージからなのかもしれません。
お二人とは屋久島のアトリエでもお会いできたし、サンプルリングをお送りたりしてデザインやサイズをしっかりと確かめることができたので安心感はある。
「これよりは大きくならないように注意しますね」などと、ほんのりとしたフィーリングを反映させながら、お二人の暮らしに寄り添うご提案ができるのはオーダーメイドならではの素晴らしさだと思う。
軽やかで繊細な雰囲気の奥にある丈夫でしっかりとした安定感、というのだろうか。
ずっと長くお使いいただく結婚指輪だ。
快適なつけ心地を大切にしていたい。
さて、
サイズを合わせて糸鋸でカットしたプラチナは、その両端を繋ぎ合わせていよいよリングへと。
1000度以上の高温下での作業である。
溶かしながら接続してゆく作業は、ある意味指輪づくりのクライマックスなのかもしれない。
プラチナに適切な温度を与えておくべき時間はとても短い。
ここからは後戻りできない道のりになるだろう。
相変わらずに背筋の伸びる思いである。
金属の声に心を傾けながら、じっくりと。
2本のプラチナはうまく繋がって、ほっと一息。
リングになって、強度もグッと高まった。
手の中に確かな重みを感じられる喜びがある。
少しずつではあるけれど、お二人と一緒に作り上げたイメージがリアルな造形になりつつある。
夕暮れ時に作業がひと段落したので、アトリエから西へ車を走らせて滝を眺めてきた。
ギリギリまで近づくと、水飛沫と風の勢いがすごくて爽快だったー。
ふと思ったのは、この絶え間ない水の流れは小さな小さな水滴に区切られることによって永遠に近づいてゆくのだろうか、ということ。
刹那を積み重ねて永遠に近づくように。
そんなふうにプラチナリングにもお二人の時間を刻み込んでいきたいなと思った。
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