プラチナリングの造形がひと段落したところで、庭先でそのアウトラインを眺めることにした。
ときおり自然の光で眺めると、室内では気が付かない金属の表情や造形の細部を確認できたりする。
屋久島サウスは久しぶりに雨降り。
薄曇りの柔らかな光がちょうど良い。
2.3mm幅のラウンドシェイプ。
シンプルでつけ心地柔らかなプラチナリングだ。
明暗のコントラストが高く力強い輝きはプラチナ特有の美しさだと思う。
嬉しくなって、ガラスの容器の中でそっとリングを転がしてみると、
しずくを纏ったハイビスカスの濃い赤色や屋久島の緑が表面に映り込んでは消えて、
まだまだ仕上がりは先ではあるけれど、心に響く輝きを感じることができた。
いよいよ二月の後半なのですね。
アトリエでは真冬の屋久島に来てくれたお二人の結婚指輪を作り始めている。
雨が降るたびに少しずつ暖かになってゆく。
そして春はもうすぐそこまで近づいてきている。
数ヶ月ではあるけれど、季節を分かち合いながらお二人と一緒に歩むオーダーメイドの時間もまた、かけがえのない宝物のようだと思う。
島リズムのゆっくりとした指輪作りにお付き合いをいただきましてありがとうございます!
アトリエに戻り、紙やすりを荒い番手から細かい番手まで持ち替えながら表面に磨きをかけていかけていくことにした。
こうすると輝きがさらにスムーズになるし、指あたりもグッと優しくなった。
そして内側にも緩やかなカーブを与えて同じように磨いてゆく。
その内側に施す予定になっている彫刻模様を今からとても楽しみに思いながら。
表面も内側も同じように大切。
お二人の結婚指輪の特別なところだと思った。
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