花をモチーフに婚約指輪をつくる日々。
手のひらを広げたようにパッと開いた印象が好きなのは、きっと彼女と通じるところなのだろう。
作っているだけでも元気になれる、花のモチーフにはそんな魅力があるように思う。
ガーベラの花をモチーフにしてお作りすることになったのは、同じようにパッと開く
ツワブキの花をかたどったリングを見てくれたのが始まりだった。確かに。
これは花びらがむっちゃ多いな!というのがガーベラの第一印象だったけれど、
なるほど細工が大変なだけに、そこが一番の魅力となるところでもある。
0.1mmほどの薄さで重なう合う花びらは本当によくできていると思う。精巧でしなやかで、そして力強い。
どうすれば植物たちの、その完全性に近づくことができるのだろうか。
ジュエリー作りを始めてからずっと、自然の中にある造形に夢中になっている。
さて、今日も作っている。
ゴールドの花びらは最大限に細かく糸鋸でかたどって、さらにそれを二つ重ね合わせることにした。
手の中にあの細やかさを感じていただけるように表現したい。
華やかさの中にある繊細さがガーベラの魅力であるように感じるからだ。
それでも長くお使いいただく婚約指輪なので、しっかりとした強度は持たせていたい。
小さなリングなのでなおさら、と思うとゴールドにはある程度の厚みを持たせる必要が生まれてくる。
矛盾を含むアプローチはいつもお決まりのチヤレンジでもある。
けれどもそうやって必要から生まれてくるデザインをわたしはとても気に入っている。
あるいはそれをスタイルと言うのかもしれない。
これまでご一緒したたくさんのオーダーメイドの時間に作風は育まれてきた。
作業机ではルーペとピンセットが友達みたいになっている。
上から眺める佇まいはなかなかに好ましい。
大きさは1cmほどの細工ではあるけれど、ゴールドには印象深さを感じることができる存在感があると思う。
小さくて繊細で煌びやかなものにどうしようもなく惹かれるのも、彼女と共感するところなのかも。
遠く離れて入るけれど、不思議、繋がりを感じるとこができて嬉しくなる。
ありがとう。
なんだか仲間に支えてもらっているような、
そんな温かな心地でタッチを積み重ねている。
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