4月になって、ずいぶん暖かくなってきて、屋久島サウスは南国味を帯びてきた。
散歩道に咲くランタナ。ゴールドで作った小さな花とリング、ダイヤモンドの煌めき。
屋久島よりもはるか南の島、タイに暮らすお二人にお届けする婚約指輪を作っています。
案外知られてないのだけれど、屋久島は特に南部は亜熱帯の気候で、夏場はハイビスカスでいっぱいになるしプルメリアだって咲くのです。マンゴーも収穫できたりもする。
タイは今とても暑い季節のようで、ちょうど旧正月のお祭りで賑わっているという。
「気温も人も熱が凄そうですね!」と
お二人とはデザインやお花のことはもちろん、南国話で盛り上がることができるのも嬉しく思いながら。
今日も柔らかで優しいつながりの中で作っている。
ゴールドで作った細いリングとお花は、朴炭で作った小さな台の上に乗せて、そこでバーナーの炎に包んで互いをつなぎ合わせる作業をした。
花びらからは直径0.7mmの細い棒を伸ばしておいて、1.2mm幅のリングに開けた0.7mmの穴にキュッと嵌め込んで、ぴたりと動かないように固定しておいた。
こうして下準備をしておくと、真っ直ぐに、左右対称に、作りあげてゆくことが出来る。
それでも、どうしても微小な誤差が生まれて、またそれを調整しながら造形を整えてゆく。
船首が右に触れると舵を少しだけ左に切るように。
昔ながらのゆっくりとした時間の流れではあるけれど、そんな工程を経て一つだけの佇まいが生まれてくるのだろう。
手作業から生まれる揺らぎにどうしようもなく惹きつけられてしまうのは何故だろう。
静かで安らかな気持ちになれる。
自然の中に眺める植物たちにはいつもどこか欠けているように見える部分があって、でもそれらは互いに補っていて、一つになっている。
あるいは、できないことは出来ることなのかもしれないな。ふと思う。
自分が抱える揺らぎもまた、もしかすると誰かを救うことが出来るかのもしれない、そう思えると希望のイメージが湧いてきた。
雨上がり、庭先に出て新鮮な空気を吸って作業を一休みした。ふと足元に目をやると小さな赤いドットがたくさん!
ああ、今年もまたこの季節なのかあ、毎年のように忘れてしまうけれど、それがまた嬉しい。
何気ない出会いに幸せだったワンシーン。
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