屋久島サウスのアトリエです。
梅雨の終わり、もうすぐそこまでやってきている夏の気配に包まれてプラチナとシャンパンゴールドの結婚指輪を作っている。
窓の向こうには早くも蝉の声が鳴り響き始めた。
彼女が選んでくれたシャンパンゴールドは鉄鋼ヤスリを使って、潔いタッチで表面を丸く柔らかに造形をした。
お二人はどんな季節を過ごしているのだろう。
春の始まりにメールをいただいて、数ヶ月に及んだ日々をご一緒して、そのようにして生まれたお二人の結婚指輪のイメージが今形になりつつある。
島リズムのオーダーメイドにお付き合いをいただきましてありがとうございます!
思いのほかずっと涼しいのは島暮らしの嬉しいところではあるけれど、
7月が近くなりここでの暮らしは夏時間になった。
朝早くと夕暮れ時に散歩に出掛けてそのほかはずっと作業机に向かう。
今日もそんなリズムで。
朝のハイビスカスを眺めておく。
雲の流れが早い夕暮れ時だった。
いつものビーチまで出かけると、19時を過ぎているというのにまだ明るかった。
空にはちょうど半分くらいの月が浮かんでいた。
アトリエに戻りようやく涼しさが戻ってきたところでまだ作業机に向かう。
シャンパンゴールドのリングには表面に続いて内側にも造形を加えていくことにした。
内側にはなだらかな砂丘のように、極めて緩やかなカーブを与えてゆく。
こうしておくと着け心地がとてもに柔らかになる。
そして丸くなった内側にはサンドペーパーを巻いたローラーを当てて研磨を繰り返すと、その表面にはうっすらと優しい光沢が現れ始めた。
この内側はお二人の言葉を刻み込むスペースでもある。
キャンパスを白く綺麗に整えるように、ゆっくりと丁寧に表面を滑らかにしていかなくてはならない。
たしかに普段は見えることはない場所ではあるけれど、
内側にある彫刻は自分たちだけが知っている約束のようで、お二人のリングをいっそう特別にしてくれる装飾だと思う。
何かのきっかけでリングを外すときにチラリと見えると、かなり嬉しい。
実はこの文字にはなかなかにこだわりを持って創作を行なってきた。
三人で一緒にキャッチボールをするように、そんな作業が楽しい。
お二人の想いが伝わってきて、いつもずっと幸せな気持ちに包まれている。
シンプルなラウンドシェイプの造形だ。
できるだけタッチも潔く、明瞭に積み重ねていこう。
シャンパンゴールドの色彩が目に優しい。
手の中にあるリングからは手作業から生まれてきた確かな温度のようなものを感じることができた。
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