屋久島から約1000kmの小さな旅。
久しぶりの家族や友人、懐かしかった街並み、初めての味覚、などなど
たくさんの出会いがありました。
その昔よく通った小道なんかを発見したりすると、
古い自分自身に出会えたような気がして少し恥ずかしくなってしまったり。
その中で嬉しかったのがこの指輪との出会い。
もう10年近く前にもなるだろうか
生まれてきた赤ちゃんのためにと声をかけていただいてお作りしたベビーリングと再会することができたんです。
思えばこの指輪がベビーリングというものを初めて作らせていただいた作品で
デザインのお話から制作の時間まで、全てがフレッシュだったのが今でも印象に残ってる。
「彼女には緑色の石が似合うと思って。。」
そのとき交わした言葉がまだ心の中に残ってて、片隅の方で再び小さく響きはじめた。
表面の仕上げ具合、角の落とし方、丁寧さ、思い切り、時間、、、
手で作ったものにはその当時の記憶のようなものがしっかりと映し込まれているもので、
シルバーの表面に植物模様をぐるりと彫り込んだリングを眺めては
ああ、これはかなり気合入ってたな。と自画自賛してみたり。笑
久しぶりに指輪を見るときは
その時のわたし自身の心境をそのまま眺めることができるのが面白い。
まるでビデオで見ているように。
多分お母さんも、お父さんもそれは一緒で、
その頃、指輪を作った頃の心境や環境などが
指輪を見ると一瞬にして蘇ってくるだろう。
赤ちゃんが大きくなった時にその頃のストーリーを伝えてみたりするのも素敵だなあ。
彼女の指にはまだ少し大きかった指輪の中でキラキラとするエメラルドの緑を眺めながら、そんなことを考えていた。
家族の時間をリレーするのなら、
指輪はバトンのようなものなのかもしれませんね。
指輪の中にハッピー見つけたい!