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ビワの季節が始まりました。

最終的には庭で果物を育てて、

朝起きたらお気に入りを千切って食べるんだ。

と島の友人RJが言ってたことを思い出した。

もうずいぶん前の話だ。

 

仕事の夢みたいなのをみんなで話していた時に彼が不意にそう呟いたんです。

幸せってもっと多様的だろ、と会話に一石を投じた感じだったように思う。

 

そして今、RJは自分たちの場所を得て、

時間を見つけてはそこの開拓を始めているとのこと。

 

ショートケーキのイチゴは後にとっておく方が楽しいんだよ、といつも人生をじっくりと嘘なしに歩んでいた彼らが、ついにその場所にたどり着いたのだと思うと、誇らしい気持ちに包まれた。なぜかわたしも、どうだ!といわんばかりに笑

 

まずは最初にどんなフルーツを育てるのだろう。

きっといいエリアを見つけてるに違いない。

ビワもいいと思うし、島名産のタンカンはもちろん、バナナだって魅力的だし、パッションフルーツなんかはどうだろう。。。

そんなことをわたしが気にしていることは、もちろん内緒にしています。

いいリズム。お二人と過ごした時間。結婚指輪デザイン作りの思い出。#屋久島でつくる結婚指輪

たっぷりとプラチナを使って作ったリングの内側は丸くカーブを描くように造形した。

こうすると、つけ心地がぐっと柔らかになる。

 

お二人の指輪はこのあと内側にオリジナルの彫刻を施すことになっているので、ラウンド具合は強すぎず、緩やかに、といったところだろうか。

長くつける結婚指輪だから、誰にも見えなくて自分自身に響くところを大切にしたいと思っている。

 

そしていよいよリングの造形は終盤となりました。

紙やすりを240番、400番、600番と少しずつ細かくしながら磨きをかけていき、精密ヤスリで表面の角を落として手触りをスムーズにした。

 

彼のリングをひとまず横に置いて、最後に彼女のリングを鉄の型にはめる。アウトラインにカーブを与えるべく力を込めて木槌で叩いた。

 

コン!コン!コン!

2.0mm wave and 4.0mm straight semi-round in platinum

 

つるりと磨き上がったリングを手に取ると、

一つのリングから2本のリングが生まれたように感じられました。

なんだかとっても似ているんです。

 

表面は緩やかな曲線を。

側面にはシャープな平面を。

シンプルな造形の中にぐっと響くものを感じることができるのはプラチナの持つ素材の力だと思う。

 

お二人とのデザイン作りではとっても印象に残ったことがあって。

彼と彼女とは去年の秋に南青山で開催された裕子さん個展会場で待ち合わせて、そのあとドトールのテラス席で指輪作りのお話をしたのですが、

その時わたしがお二人のために選んで並べてたサンプルの中から1本。

彼女がスッと手にとって、「わたしはこれで。」と言ってくれたんです。

えっ!早っ!と驚いたオレ。笑

なかなかそこまで決断早いケースは少ないので、興味が湧いて聞いてみる。

「いつもそうなんですか?」

「はい。いつもこんな感じです。」とこれもまた即答してくれて、爽快な気分になったのをよく覚えてる。

 

実はこの時並べたサンプルのチョイスは、彼が抱いてたお二人のイメージを前もって聞いていて、それを参考にセレクトした指輪だったことはここだけのお話。

 

なんだかいいリズム感じゃないか。

 

今となっては(ホント信じられないけれど)難しくなった、キュッと寄り添って丸いテーブルの上にサンプルリングを囲んでホットコーヒー飲んで過ごした時間も素敵な思い出です。

 

クローズアップで。

 

シャープだけど柔らかに。

というのがお二人の指輪に抱いたわたしのイメージです。

 

ここから次の装飾を加えていこう。

さらにもう一つの装飾を加えよう。

未来の指輪にワクワクしながら、ここで一旦時間を置いて、出来上がりはまた少し先のお話に。

お二人のオリジナルが出来上がるのを楽しみにしていてください。

 

最後に短い動画も置いておきます。

 

 

雨上がり、月見草の咲き始めたアトリエです。

みなさま、この週末はいかがお過ごしでしょうか?

 

「1週間でガラリと状況が変わってしまうこの頃ですね」

友人とはそんなメールをかわしながら、

今この瞬間の大切さを一層強く感じています。

 

どうか穏やかな日曜日となりますように。

こちら屋久島は昼から雨が降りそうなので、オレはしずくギャラリーのコデマリの花をチェックしに行ってみます。

 

 

屋久島でつくる結婚指輪

 

制作編

雨上がり屋久島サウス、お二人の結婚指輪作り。大切な想いが詰まっているからこそ、シンプルに表現をしよう。