長く続いた雨が上がった夕暮れ時。いつもの散歩道。
シダの緑色が眩しい。
島の暮らしで馴染み深いこのシダをモチーフにジュエリーをつくるのがお気に入り。
お二人の結婚指輪ももうすぐ完成となるだろう。
シャンパンゴールドのリングの表面に刻み込んだシダ模様。
植物のラインは心に優しく響くと思う。
毎日手の中にあって、眺めることのできる結婚指輪だから、心地よさは大切なところ。
ジュエリー作りでは、まず心地よさに包まれて作業机に向かうことを大切にしています。
お二人の指輪はアトリエで、窓の向こうに、散歩道で、屋久島をたっぷり感じながら作り進めてきた。
シダ模様に加えて、もう一つ。柔らかな印象を与えるのがリングの輪郭だと思っています。
硬いゴールドにはあえて強い力をかけることによって、その表情を変えることができるのです。
鉄のカーブした型枠にリングを当てて、木槌でコンコンコン。
カーブを少しずつ急に、そしてまたコンコンコン。
何度も繰り返してようやくお目当の曲線が現れた。
カーブを施した後は海まで少し歩いた。
緩やかな曲線には、海とか波のリズムを感じています。
シダ模様も、海のリズムも、島の時間がキュッと詰まった指輪になるだろう。
wave ring in platinum, work in progress
3月に初めてメールをいただいて、デザイン作りをお二人とともに進め、いよいよここまでやってきた。
途中、サンプルやサイズゲージも送ったし、サイズチェックの動画も受け取った。
シダ模様はお二人のオリジナルが出来上がるよう、微妙なレイアウトにもこだわりました。
ここまでご一緒した時間が2本のリングになったと思い、喜びで胸がいっぱいです。
もう少し表面を細かい紙やすりで磨き上げると、さらに有機的な質感を纏うだろう。
さあ、いよいよここから最後の仕上げ作業を進めていこう。
制作編
おまけ。
庭の菜園レポートです。
トマトもずいぶん大きくなってきましたよ!
暑くなってきたことだし、まずはやっぱり冷やしてかぷりといただきたいものです。夢心地。
茄子ができたら、トマトと合わせてパスタも美味しいだろうなあ。。
小さな幸せ、また出会いますように。
今日もありがとうございました。