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屋久島の情景と結びつく。プラチナとゴールド、ダイヤモンドで作る紫陽花の指輪 #制作編

少しずつ雨足が強くなってきた、台風直前の屋久島サウスです。

バタバタと風の音で目を覚ます。電気はどうだろう。確認するとまだ通電していてホット肩をなでおろしている。

今のうちにと早速キッチンに向かい、冷蔵庫からキウイと梨を出して食べて、鶏肉と玉ねぎと人参で簡単なカレーを仕込むことに。冷蔵庫を使えない停電時にはカレーの具材はできるだけ大きく切るように心がけている。

鍋に火が通ったらコンロの火を消して余熱に切り替えて、コーヒーを作って、ようやく机に向かったのが今。午前の4時10分で、ツイッターを見ると沖縄では停電が始まったようだった。以前結婚指輪を届けた沖縄の友人のことを思い出しながら、今のうちにここ最近の制作の色々を書いておこうと思う。

 

彼女が憧れです!と言ってくれた屋久島の情景とともに進めているオーダーメイドのジュエリー作り、5つのアイテムのうち、今が4つ目となりました。

 

大切な気持ち、オーダーメイドで分かち合う。屋久島のお花をモチーフにしたジュエリー作り。

ハイビスカスも緑も海もあったけど、この季節は台風もまた、島の情景とは強く結びついているなあ。南国特有の雨風も感じながら作業机に向かった時間を振り返りつつ。

酸素トーチの火を当てると真っ赤に染まった、プラチナで作った小さな花。

出来上がるジュエリーはプラチナとゴールド、ダイヤモンドとシックな色合いだけど、その奥にブルーやマゼンタ、、、島の色彩を感じるように、細部を確かに作り進めている。

視覚の向こうにある感覚でもキャッチできるような造形を求めている。

火を当てて柔らかになったプラチナの花を鉄の枠に添えて、その上から先端の丸い棒でコンコンコン。そしてまた、次の花をコンコンコン。

くるりと花飾りのように並べてみる。出来上がりが少しずつイメージできてくる瞬間が好きだ。

ハワイのレイみたいでもあるこのデザイン、実は紫陽花からインスピレーションを受けて出来上がったもの。輪っかになるスタイルは紫陽花の中でもガクアジサイだろうか。梅雨時に雨のしずくをキラキラと纏った紫陽花の姿が、胸の奥に今も鮮明に佇んでいる。

梅雨の雨があったり、台風の雨があったり、そう考えると、同じ雨でも季節によって実にさまざまな叙情があるものだ。

島の情景に包まれて、指輪作りを進めてゆこう。

 

そして外も明るくなってきた。今日の始まりだ。

胸を張って1日を過ごそう。

皆さまも、どうぞお気をつけて!