雨上がりに眺めたお二人の結婚指輪。
すっきりと細身のプラチナリング。 彼女のリングに一粒のダイヤモンドをセットして出来上がりました。
プラチナの輝きも、ダイヤモンドの輝きも、紫陽花が大切そうに抱いていた雫の輝きも、全てが一つのようだった屋久島の情景に癒されました。
お二人の結婚指輪を作り始めたのは5月の初めのことでした。
屋久島では春の雨が降って、百合もツユクサも咲き始めた、
生き生きとした島の季節をご一緒できて幸せな指輪作りの日々でした。
島リズムのスローな時間ではあったけれど、いつも共に歩んでくれてありがとう。
紫陽花とともに眺めたプラチナリングの印象 #屋久島でつくる結婚指輪
たしかに、デザインが出来上がるまでにはお互いの時間を差し出し合う必要のあるオーダーメイドかもしれません。
そして指輪を作っている期間はいつもインスタグラムのストーリーズでその作業の色々を共有していました。
そのようにして、少しずつ、お二人の結婚指輪が出来上がっていくまでの日々もまた一つの物語であったように思うのです。
約3ヶ月ほどの短い期間ではあったけれど、思い返すとお二人と共に歩んだ旅路のようだったなあ。
そしてお二人とわたしにも、それぞれの船に乗ってそれぞれのオールを片手にいよいよ次の旅に出る時がやってきた!
そんなお互いの門出を晴々しく感じながら。
紫陽花ポコポコのアトリエの庭先で指輪を眺めていました。
リングをそっと手に取ってみると、
仲良く寄り添っているように見えたプラチナリング。
繊細で軽やかでした。
どこか親密で友好的な肌触りを感じるテクスチャーはわたしもお気に入りのマット仕上げなのです。
その中にきらり、ダイヤモンドの輝きが一際際立ちます。
そして、
リングを一周巡るように施した切り込み模様が見えるでしょうか。
雨上がりの雲のフィルターを通り抜けた太陽の光がラインを境に柔らかな陰影を作り出していて!
しっかりとした重みのあるプラチナのはずなのに水流のような動きを感じることができました。
繰り返す波のリズム。季節の巡り。時の流れ。
「彼はすっきりシャープな印象が好きで、わたしは丸く柔らかな質感が好きなのです」
デザイン作りの時に彼女が伝えてくれました。
この部分の表現がわたしにとって超えなければならないハードルだったように、今となっては感じています。
その職人的な挑戦が、どこか今までのわたしを超えた(大袈裟な言い方をすると)タッチを与えてくれたようにも思うのです。
リングを加工する際は、まずは2本のリングに同じようなシャープな平面を与え、すっきりとシャープな印象に仕上げておきました。
その後で精密ヤスリを何本かと数種類の荒さの紙やすりを使って彼女のリングに丸みを与えてきます。手の中で大切に育てるようにゆっくりと。
そうするとやがて、少しずつ違っている2本のリングのシルエットが浮かび上がって来るのがわかりました。
そしてその2本のリングをじっくり眺めていると、表層よりもずっと奥の方に同じものの存在を確かに感じ取ることができたのです。
どこか運命的な繋がりを感じるようなお揃い感というのでしょうか。
まるで深い森を抜けて暖かな光の差し込む草原にたどり着くことができたような、爽やかな到達感を得ることができて嬉くて仕方なかった!
わたしがお届けする結婚指輪ではあるけれど、オーダーメイドのジュエリー作りではお二人から手渡される贈り物のようなものがたくさんあるように思います。
ご結婚おめでとう、屋久島で生まれた結婚指輪がお二人の暮らしに長く寄り添ってくれますように。
それにしても、本当にたくさんのインスピレーションに恵まれたお二人の結婚指輪作りだったな。
いつもわたしたちに寄り添っていてくれた屋久島の季節にありがとう。
あるいは、この巡り合いもまた自然の中にある一つの出来事だったのかもしれないな、と思うのです。
お二人との素敵な出会いにありがとう。
屋久島でつくる結婚指輪
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tel: 0997-47-3547
実は、お話には続きがありました。
お二人が指っを受け取るために屋久島に来てくれたのです。
アトリエ、出会い編に続きます!
屋久島で結婚指輪をお届けした日. ありがとう, お二人と旅をしているようなオーダーメイドでした