台風6号が島の東側を足早に通り抜けて、
雨のしずくを残していった。
晴れ間が広がり、雨のしずくがキラキラと輝きだした頃、
今年初めてのセミの鳴き声が聞こえてきた。
雨上がり、植物たちに宿るしずくはいつもの景色で、
屋久島らしい景色。
今、島に暮らすお二人に結婚指輪をお作りしていて、
彼はこの屋久島で生まれて育ったという。
ずっと憧れだった情景が、
物心ついた頃からすぐそばにあったなんて!
いったい彼にはどんな風に映っているのだろう。
雨と緑と、霧に雲に虹に、海と朝日と夕焼けと、、、
それを求めて、オレはここにやってきた。
そして彼女もそうだと思う。
暮らし始めてもう10年にもなるけれど、
いくら深呼吸しても足りないくらいに、この空気感を求め続け、
屋久島を呼吸→感動→ジュエリーを作る→もっと屋久島を
気がつけばこのようなサイクルができていた!
大好きなシダの模様を彫り込んだ指輪は
まさにそうして生まれてきたジュエリーなのです。
今日はレディースのリングが出来上がりました。
シルバーで作ったシダの指輪。
シダ模様を彫り込んだリングの幅は狭いところで約2.0mmという、
繊細で緻密なジュエリー。
緩やかな波のようなカーブが気持ちよくて、
手に取ると優しいフィーリングが伝わってきました。
レディースなので、リング幅は細めでスッキリです。
手の内側に向かうにつれてリング幅が少しずつ広くなってゆくアウトライン。
シンプルでプレーンな表情も楽しめる!
指につけてくるくると回していると、
シダの葉っぱを摘んで指に巻いて遊んだ
昔の記憶が蘇ってきそうなシダの指輪。
なぜだか銀色の表面に
屋久島の緑色が浮かび上がってきそうで、
ずっと眺めてしまう。
繊細ながらに確かさを感じられるよう、
じっくりと丈夫に作りました。
彼女は森でお仕事をされているので、
この指輪をつけて行くと、ホントに緑と指輪が重なり合うのかも。。
そんな思いを巡らせながら、
次は彼の指輪です!