ここにきてグッと光のコントラストが強くなってきた屋久島です。
仕上げ作業を前に庭先で造形のイメージを膨らませている1日の始まり。
屋久島サウスでは生垣にハイビスカスというスタイルが主流だったりします。
赤やピンク、オレンジ、白のハイビスカスや夏の百合を眺めながら。アトリエでは今日もお二人の結婚指輪作りを進めています。
島の花とともにつくる。
それにしても、この季節、植物たちの勢いがハンパない。
少しずつだけど、日々休むことなく変化を続ける花々の姿を前にして、金属でつくる指輪もまた、使ううちに味わいが増すように作ることが出来ればと考えるようになった。
小さな傷もまた装飾の一つになるようにと考えると、リングはできるだけシンプルに仕上げてゆきたい。
彼のリング。ラウンドシェイプ 、2.0mm
すっきり細身のデザインにフィットするように、プラチナは強度を高めて丈夫な配合といたしました。
そして、鉄鋼ヤスリから精密ヤスリに、そして紙やすりへと。少しずつ細やかなタッチを加えてゆく。手作業のゆるやかな時間が愛おしい。
完璧に均整が取られたプロダクツも好きだけど、手作業にはそこから生まれるほんのささやかな歪みがあって、その微妙な誤差にどうしようもなく惹かれるのはなぜだろう。
すっと体になじむような有機的な感覚を求めて作業の手を進めて、進めて。
造形がひと段落したところで、リングを持って海の見える丘まで歩くことに。
柔らかに磨き上げたプラチナの表面に海や緑が写り込んでいることに気がつく。
夕暮れ時、2本のプラチナリング、波の音、あたたかだった潮風。心地よくて、丘の上でしばし佇んでしまう。
作業はここで折り返し地点。
これからシンプルなリングに加えてゆく装飾の数々は、今、リングに写り込んでいる世界を実際に描き出すような作業になるだろうと思っている。
snsもやっています