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屋久島の情景に憧れて。18kシャンパンゴールド×プラチナ、コンビネーションの結婚指輪を作る。

晴天続く屋久島より、こんにちは。最近はなかなか波が大きくならなかったのですが、久しぶりにビーチに出かけました。どこまでも広い海と空の境界線や海と浜辺が出会う場所を眺めるのは島暮らしならではの幸せ。

二つの自然が出会う境界線には特別な力強さや優しさを感じるのはなぜだろう。そんなことを考えながら、ちょうど今進めている作品作りのイメージを高めながら過ごすことができました。

 

結婚指輪作りでは異なる素材を組み合わせるスタイルがあって、わたしの場合、ゴールドやプラチナ、シルバーを島の情景にシンクロさせるようにデザインしてきました。

リングをくるりと囲むラインが生まれるコンビネーションリングのモチーフは、海や山際など、やはり広い場所と相性が良いと思う。

 

お二人の結婚指輪作りはまっすぐに伸びる気持ちの良いラインを。朝に見た水平線を思いながら作業机に向かっています。

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 18kシャンパンゴールドとプラチナは初めて使う組み合わせとなるので、微妙な収縮具合を見ながら寸法を繰り返し調整しつつ、作業を進めているところ。

いつもはなかなか見ていただく機会が取れなかった工程なので、今日はその職人部分を少し。

二つの金属は重ね合わせると、斜めに境界線が現れるように組み合わさります。

いつものように地金を削り造形すると、どうしてもズレが生じてしまうので、ここまでは3Dデータ作成→3Dプリンタでwax原型作り→鋳造作業 という工程を進めてきました。

小さなリングではありますが、案外その制作の裏側には数字を扱うシーンが多々あって、構造的で工学的な要素も多少含まれるところは建築などに少し近しいところがあるのかなと思います。

 この数字的な要素×自然のもつ有機的な雰囲気、という対照的なアプローチでジュエリーを作っているのは、父が建築をやっていて、小さい頃から家に大きな図面や定規が広がっていたのに影響を受けているところが大きいいと思う。

西洋的なよくできたシンプルさと、東洋的な流れるような自然に神が宿るような、二つのエッセンスが出会う場所にもまた、水平線のような力が含まれているのかもしれない。

少しずつ、一歩ずつ。

ここからもう少し調整続けまして、次はアウトラインの造形ステージよりお届けいたしますね!

楽しいジュエリー作りは続きます。