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屋久島の雨とお二人の結婚指輪作り。ラウンドシェイプのプラチナリング。

束の間の晴れ間に海までやってきた。長く続いた制作がひと段落したのも素敵なタイミングだった。雨もまた地球の呼吸のようだなあと、そのリズムにぴたりと寄り添っていたお二人の結婚指輪作りを思い出しながら。水平線を眺めて、ほっと一息をして。

屋久島から福岡に暮らすお二人に結婚指輪をお作りしている。同じ九州でも海を越える。福岡からは和三盆でコーティングされた、とても柔らかな甘味の羊羹を送ってもらったり、屋久島からはタンカンを送ったりしながらゆっくりと指輪作りの道のりを歩んできた。いつもありがとう!

屋久島の雨とお二人の結婚指輪作り。シンプルなスタイルが好きだから。

そしてまだ指輪作りは続くのだけれど、最後のタッチを施す前に、現れたシンプルなラインを眺めていこう。ラウンドシェイプのプラチナリングだ。

優しさと明瞭さ。均一性の中にある揺らぎと。柔らかさも、そして硬も、シーソーのようなバランスが手の中にある。

結婚指輪は二つが揃って初めて一つになる、組作品のようでもあるなと思う。もしかするとそれは、我々も同じなのかなと、少し感情的になりながら。

そうか、整合性と感情もシーソーのようなバランスで同じ世界に同居しているのかもしれないと不意に思う。心温まるフィーリングの向こうには端正なリングのフォルムがあって、お互いを支えあっている。お二人はどうだろう、ふと海の向こうに想いを馳せる。

彼女のリングが2.3mm幅。彼のリングは2.5mm幅。サイズの違いがあるので、こうして重ね合わせるとちょうど同じくらいスケールに見える。手触り感もソフトで、お仕事中だってずっと付けっぱなしいただけるリングだ。

どんな道具もそうだと思うけれど、使ううちに時間が刻まれてゆき、それが少しずつオリジナルを作ってゆくのも楽しいところですよね。

いつもよりも少し長い時間軸を感じながら、今日はここまで。お二人の時間がキュッと詰まった新しい指輪になりますので、出来上がりを楽しみにしていてください。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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