屋久島サウスのアトリエです。
彼が選んだ0.4ctのダイヤモンドをお預かりして、彼女に届ける婚約指輪を作っている。
ダイヤモンドから始まる指輪作り。
土台のリングとなるのは、お二人もわたしも大好きなシャンパンゴールドである。
大切な素材をお預けいただいたり、モチーフの花をリクエストいただいたり、
お題のある制作が実はとても得意だったりもする。
オーダーメイドのジュエリー作りには、一人では思いつかない、たどり着くことのできない場所に一緒に行くことができる喜びがある。
たしかに、結婚指輪の次に選ぶとしたらダイヤモンドの一粒を印象的にセットした限りなくシンプルなリングだと思う。
これまでは小さなダイヤモンドで作っていて大いサイズ(0.4ctは約5mm)の石ではイメージすることはなかったけれど、大切な部分をお二人と分かち合いながらの制作なので、通じ合っているフィーリングはとても強くある。
なんだか仲間ができたような気がして嬉しくなったのをよく覚えている。「やっぱりそうですよね!」と。
海を越えて大切な指輪作りのお声がけをいただきましてありがとうございます!
そういえば、シャンパンゴールド好きなのも似ているのかもね、と思いつつ。
今日も作業机に向かっている。
シャンパンゴールドの丸くて細い線はくるりと巻いて、両端を合わせてリングにするところ。
0.4ctのダイヤモンドとバランスを取るために、しっかりと重みのある太さを選んでおいた。これなら安定感がある。
「とはいうものの、やっぱり大切にしていたいのはスッキリ感ですよね。」
お二人とはそんなお話になりまして。
ダイヤモンドを際立たせるべきところは若干細く見えるように、指あたりに大きく影響する部分はスッキリと軽やかになるように、同じ丈夫さを保ちながらバランスを整えているシーン。コンコン。
ここは、出来上がった時に見た目ではわからない方が成功なのかもしれない。
とても微妙ではあるけれど、目に見えないところに響くような造形を大切にしていたいと思う。
朝の光と今年はたくさん咲いてくれたスミレ。
作業がひと段落して夕暮れ時には庭先に出て空を見上げて大きく背伸びをした。
季節の移ろいとともに雲も光もダイナミックになっている。
冬の静けさも好きだけれど、春夏の盛り上がる感じもやっぱり好きだなと思う。
これからきっと雨も多くなってくるし、島は賑やかになるだろう。
そうだ。静けさだったりシンプルさと、躍動や輝きは常にお互いを際立たせ合うのだ。
自然もジュエリーも全部同じなのだろう、そう思えると、ふと力が抜けるような気がした。
明日もまた島のリズムの中で作っていこう。
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