アトリエの庭に咲いた桜。うららかなピンク色に夢心地。
ちょうどお二人の指輪を作っている間に満開になりました。
初めてお会いしたのはまだ真冬でした。
とても短くはあるけれど、同じ屋久島の季節を分かち合いながらオーダーメイドの時間は流れています。
桜にも、夕日にも、この頃とくに惹きつけられるのは、
ピンクゴールドのリングだからなのかもしれません。
細くて色彩印象的なピンクゴールドには手の中で動きを与えて、くるりとリングになったところまでを書きました。
波のような、水の巡りのような
早く出来上がりを手にしてみたい!でも指輪作りの時間も愛おしい!
ほんと、花々を眺めるような気持ちと似ているなと思うのです。
今がずっと繋がっていくような、ほっこりと幸せを感じながら今日も作業机に向かっています。
細いけれど、両端をつなぎ合わせると強くなる不思議があるのです。
バーナーの炎の中でリングを包み込み、温度を上昇させたところで隙間に金属を流し入れる。
火を入れる場所はこの1箇所だけ。
とてもシンプル、だからこそ背筋が伸びる。
シンプルさ、というと、
シャツならば白いシャツで、ケーキならばショートケーキのそれに似ているのかもしれません。
そこには作家の意識がダイレクトに表現されてしまう、ある意味清々しくもある明白さがあります。
火入れが終わった。ゆらめきの中でフォルムを眺めておく。
火を扱ったり、ヤスリを入れたり、作業の合間はピンクゴールドはずっと酸化膜を覆っていて、本当の輝きは案外と最後の最後まで私も見ることができないのです。ドキドキ。
そしていよいよ最後の磨き仕上げを始めることに。紙やすりを荒い番手から細やかな番手までを揃えて、電気工具も用意しました。
光を生み出す大切な磨き仕上げです。
小さなリングの中ではあるけれど、流れを留めない大らかなタッチが大切になってくる。
繊細ながらにも確かな存在感を纏うリングの姿を思い描きつつ。
深い集中の中で最後の工程を走り向けよう。
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