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巡り会う色彩。屋久島から届ける、夜光貝のジュエリーづくり #屋久島でつくる結婚指輪

広い海に生まれた夜光貝を削り出したそのかけらには、他にはない一つだけの輝きが宿っている。

 

貝殻そのものにも色彩の傾向があるし、

同じ貝殻でも、切り取る場所や角度によって、見え方はずいぶんと変わってくる。

もちろん、屋久島の北部と南部では、個体の大きさや分厚さも微妙に異なってくる。

 

わたし自身は、海に潜ることはないのだけれど、

友人が素潜りをして手に入れた貝を分けてもらい、こうしてジュエリーの材料として使わせていただいている。

 

しっかりとした肉厚の貝は、手のひらよりもずっと大きい。

形状は、例えるならサザエのような巻き貝といったところだろうか。

 

ずっしりと重みのある貝殻から、色がきれいに出そうな部分を予測して、5cm四方ほどに切り取りる。

そして、表面の凸凹を大きく削り落とし、いよいよ作業へと取り掛かるわけである。

 

この貝殻の、このあたりが綺麗に違いない。

そのような漠然とした予感を頼りにして進める作業なので、

いざ、ジュエリーの材料として磨き上げていき、その色彩に出会った瞬間には、

思わず、ちょっとした感動を覚えてしまう。

 

はるか遠い海の中に生まれ、今こうして巡り会えた色彩に、どこか磁力のような縁を感じるのだ。

 

お二人の夜光貝は、マゼンタからグリーンへのグラデーションが印象的だった。

とても色鮮やかで、輝きも力強い。

 

夕暮れ時に磨き作業を終え、柔らかな陽光の下でふたつの貝殻を眺めていると、

角度を変えるたびに、新しい色が現れ、何だかとても嬉しくなる。

 

どうやら、素敵な輝きに巡り会えたのかもしれない。

まちがいなく、素晴らしい色彩と輝きであるように思う。

 

イエローゴールドで作った丸いプレートに、かちりと嵌め込んでみる。

 

彼女のペンダントトップは、三日月型の夜光貝+イエローゴールドの月明かり

彼のペンダントトップは、三日月型のイエローゴールド+夜光貝の月明かり

 

素材を互い違い組み合わせた、お揃いのデザインであるけれど、

それぞれに大きさを少し変えて仕立ててある。

 

ここからチェーンを通し、貝殻をしっかりと固定するために、

細やかな細工を重ねていくことになる。

 

夜光貝の美しさを最大限に際立たせるために、その細工は限りなくシンプルで、実用的なものでなくてはならない。

 

これまでになかったデザインが生まれる瞬間を前にして、

はやる気持ちはあるけれど、今日はここまでとしよう。

 

生垣のブーゲンビリアは少し赤っぽい。

こんなにも元気に咲いたのは、今年初めてかも。

 

今日も屋久島にありがとう!

 

制作編

屋久島に咲いた五月の花と、ふたつの月のネックレス。新しいデザインとの出会いについて。#屋久島でつくる結婚指輪

屋久島に咲いた五月の花と、ふたつの月のネックレス。新しいデザインとの出会いについて。#屋久島でつくる結婚指輪

アトリエの庭先が、初夏の彩りに包まれ、楽しげに華やいでいる。

ハイビスカス、白百合、ブーゲンビリア、月見草。それからティーツリーのふわふわした花も。

その組み合わせには、南国ならではの多様で自由なムードが漂っている。

 

一年ぶりに出会うこの甘い香りも嬉しくて、

一日をほぼ、この小さなアトリエのまわりで過ごしていた。

 

作業場の窓を全開にして机に向かい、

ときおりその手を止めて、庭先で花々を眺める。

いつもの、五月のリズムである。

 

ちょうど今、島じゅうに咲き誇る白い百合。

咲き始めが端正で、そこには無垢な美しさがあるように思う。

 

朝、目を覚まし、窓の向こうを眺めるたびに、新しい開花に出会える。

日々、休むことなく成長を続けていく植物たちの力強さに、励まされながら。

 

 

お二人とは、夏の屋久島でお会いする約束をしています。

ご結婚10周年を迎えるおふたりに。寄り添う月のネックレスをお作りしています #屋久島でつくる結婚指輪

 

オーダーメイドのジュエリー作りでは、ふとした瞬間に、それまでにはない新しいデザインに出会えることがある。

お二人との出会いがあって、大切な想いがあって、インスピレーションを分かち合いながらデザインを育んでゆく。

それは、一人ではたどり着けない場所へと導かれてゆくような感覚なのかもしれない。

 

ご結婚10周年を迎えるお二人には、月をモチーフにしたネックレスを、ペアでお作りすることになった。

互いを照らし合い、ともに歩む道のりに、そっとあかりを灯す、ふたつの月。

同じ丸いフォルムをベースとしているけれど、メンズとレディースの素材を反転させて仕立てていく。

三日月のタイミングを基調としたフォルムも、節目となる10周年に、ふさわしいもののように感じられる。

 

まるでこのデザインがお二人のために用意されていたような。

不思議な感覚に包まれながらも、確かな手応えを同時に感じつつ、今日も作業机に向かっている。

 

丸い月の中に、時間の気配を感じられるように、満ち欠けの表情を与えていく。

糸鋸を使って、丸と三日月のかたちに切り抜いたイエローゴールドのプレートを、立体的に組み合わせていく。

 

小さい月と、ほんの少しだけ大きな月。

レディースとメンズの凹凸を反転させるようにして、バーナーの火の中に入れ、重ね合わせた金属をつなぎ合わせていく。

接続作業を終え、酸化膜をきれいに落としたあと、鉄鋼やすりで表面を削り出していくと、端正な丸いフォルムが現れた。

 

ようやくここで、造形のベースが整った、というところだ。

何にせよ、すべてが初めて向き合う工程なので、少し先の未来を思い描きながら、注意深くタッチを進めていかなくてはならない。

お二人が屋久島を訪れる夏までには、まだ、十分な時間がある。

少しずつ、少しずつ。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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ご結婚10周年を迎えるおふたりに。寄り添う月のネックレスをお作りしています #屋久島でつくる結婚指輪

5月になって、庭先にぽつぽつと咲き始めた花の名前は、昼咲き月見草という。

 

やわらかな陽ざしの下、風にそよぐ淡いピンクの花だ。

そのささやかな群生は、空を見上げるように、まるで微笑むように花を開かせる。

見つめていると、どこか懐かしく、あたたかな気持ちが胸にひろがっていく。

 

月見草という言葉どおり、夜にも咲いてくれるのも嬉しいところで、

月明かりを浴びながら、静かに輝くその佇まいを、何気なく眺めては癒されている。

 

そういえば、「月」という言葉に特別な響きを感じるようになったのは、島に暮らし始めてからかもしれない。

静かに繰り返す日々をたしかめるように、ほのかなあかりを灯す月。

その永遠のリズムに、私たちもどこかで響き合っているのだろうか。

そう思うと、心癒される。

 

お二人のご結婚10周年のジュエリーのデザインに、月のモチーフを思いついたのは、とても自然なことだった。

スケッチブックを開いてすぐに、二つの月を抱く、ペアのネックレスを描いたことを、よく覚えている。

お二人の呼応するリズムのようなものを、月の満ち欠けで表現できれば素敵だろうと思った。

 

素材には月明かりをイメージしたイエローゴールドと、

お二人にとって大切な場所である、この屋久島で生まれた夜光貝を使うことにした。

 

作業机に向かうと、まずは夜光貝の月とイエローゴールドの月を、糸鋸を使って丁寧に切り出していく。

大きさの異なる二つの月だ。

この月たちが、これからの制作の支柱となっていくことになる。

 

時間や場所によって、月が見え方を変えるのと同じように、

少しずつ、細部のデザインに変化を持たせながら、ペアのネックレスをこれから仕立てていく。

 

細やかなデザインの打ち合わせだったり、屋久島でお会いする日のことは、ずっとメールでやり取りを重ねているのだけれど、

祝福の言葉に包まれる日々は、いつも喜びに満ちている。

ご結婚10周年おめでとう。

屋久島が紡いでくれた、素敵なご縁にありがとう。

 

タッチを重ねながら、ふと、いつか見上げた月を思い出す。

ガリガリと、糸鋸の音が部屋に響いている。

日は落ちて、窓の向こうからは虫の音がかすかに聞こえてきた。

ときおり、夜光貝をデスクライトの光にかざし、その色彩のうつろいを、しばらくのあいだ、うっとりと眺める。

 

大好きな月にまつわるジュエリーづくりは、このようにして、静かに続いていくのであった。

 

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屋久島で生まれる、ひとつの指輪。季節の中で、静かに育まれゆくもの #屋久島でつくる結婚指輪

冷たい雨は夜のあいだに上がり、屋久島サウスには、やわらかな朝の光が降り注ぎました。

5月の爽やかな週末です。

 

窓の向こうを眺めると、ハイビスカスがいくつも花を開かせています。

潤いを纏った緑は色濃く、新しい色彩に心躍りました。

 

ちょうど、ナノハナの指輪の造形作業がひと段落したところだったので、

リングを手に、庭先で眺めることに。

 

イエローゴールドの煌めきが、島の色彩と溶け合っています。

大地の響き、というのでしょうか。

金属が持つ、その柔らかな手触りが大好きです。

 

数えてみると、金属同士をつなぎ合わせた箇所は、20をゆうに超えていました。

お二人の記念日にお届けをする大切なジュエリー作りに、

背筋が伸びる思いで取り組んできたけれど、

とても綺麗に仕上がったように思います。

 

ふと足元に目をやると、咲き始めたばかりの白い百合が、風に揺られていました。

リングが完成する頃には、紫陽花も咲き始めているかもしれません。

そういえば、この頃はチョウチョの姿も見かけるようになりました。

 

これから島には、重たい雨が降り続く日が多くなり、

花々は、まるでその恵を享受するように、次々と開花を続けます。

南国特有の、色鮮やかな季節です。

 

力強く、そして優しく。いつも寄り添っていてくれた屋久島にありがとう。

お二人との出会いに、ありがとう。

 

島のゆっくりとした時間の中で育まれたリングを、

お二人のもとにお届けできる、少し先の未来を思い描きながら。

ツユクサ、ブーゲンビリア、金の粒。手の中に育まれるリングのかたち #屋久島でつくる結婚指輪

大好きなジュエリーの細工に、小さな粒を散りばめる装飾がある。

イエローゴールドの細い線を組み合わせて仕立てたリングの表面に、最初の粒金を、添えるように溶接した。

 

これから、作業の進行に合わせて、デザインのバランスを見極めながら、そして強度を補うように、いくつかの粒金を加えていくことになる。

お二人の婚約指輪作りも、そろそろ折り返し地点を過ぎたところだ。

 

 

お二人の新しい時間の始まりを祝う婚約指輪作りは、いつも幸せに満ちている。

大切な制作をお任せいただき、ありがとうございます!

百合が咲いた朝に。季節と響き合う婚約指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

 

指輪作りに間に、屋久島サウスではたくさんの花が咲いたので、その少しをご紹介。

朝、ツユクサに出会うと、なんだかいいことがありそうな気がする。

 

アトリエの石垣に、ブーゲンビリアが咲きました。

これはきっと5年ぶりくらいのように思うけど、初夏の太陽をいっぱい浴びて、すくすくと育っていただきたい。

 

ゴールドリングに二粒のゴールドをあしらえて、これからいよいよ、お花を組み合わせていくところ。

リングの曲線にぴたりと収まるように、三つの花が連なる角度を整える。

 

石の配置、花の並ぶリズム、付け心地。

最適なバランスに出会うポイントを、しっかりと見極めていく。

 

途中までは、寸法をしっかりと測ってきたけれど、ここから先は、手の感覚や視覚を頼りに進めていくことになる。

 

わたしたちが心から魅了される造形のエッセンスは、

手の中で育まれる過程に生まれる、かすかな揺らぎにあるように思う。

百合が咲いた朝に。季節と響き合う婚約指輪づくり #屋久島でつくる結婚指輪

今年最初の百合が、アトリエの前の原っぱに、ぽつりと咲いた。

昨日までは、まだ小さな蕾だったはずなのに!

朝の散歩中に訪れた、不意の出会いに、思わず心が弾む。

 

大きな花が風に揺られているのに、しなやかな強さがあって。

その爽やかな香りと、凛としたフォルムとを備える、美しき調和に癒されつつ。

 

 

大切な人に花を贈るように。

彼女が大好きな菜の花をモチーフにして、お二人の婚約指輪をお作りしています。

屋久島の季節に憧れて、菜の花をモチーフにした婚約指輪を作っています #屋久島でつくる結婚指輪

 

花をモチーフに指輪を作っていると、

いつもフレッシュな喜びに包まれる。

それはまるで、季節の巡りの中で、新しい花が咲き始める瞬間に出会うときのように。

 

お二人の始まりを祝福するための指輪作りではあるけれど、

その喜びと幸せの響きに、わたし自身も包まれながら、今日も作業机に向かっている。

イエローゴールドでかたどった3つの花は、指に沿うようカーブをつけながら、リズムよい配置に連ねた。

火を使った作業でできたタッチの跡を、紙ヤスリを使い丁寧に整えたのち、

そのバランスを、緑の中にかざして確かめておく。

 

自然の中に漂うリズムとバランス。

手の感覚に大きく頼りながら進めるこの作業は、

前半にして、最も大切な工程なのかもしれない。

 

作業の合間には、気分転換にアトリエから海までドライブをした。

その途中、新緑を抱く山々を眺めながら、思いきり深呼吸。

5月の晴れやかな昼下がりだ。

 

アトリエに戻ると、花を支えるリング部分の造形に取りかかることにした。

気分も新たになっている。

ここからも細やかな作業が続くことになるけれど、じっくりと丁寧に進めていこう。

 

ゆっくりと、力強く。

それはまさに、植物たちの時間に重なる感覚なのかもしれない。

 

作業机の上で、少しずつではあるけれど、

小さな息吹が、たしかに芽生えつつある。

 

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屋久島の季節に憧れて、菜の花をモチーフにした婚約指輪を作っています #屋久島でつくる結婚指輪

5月の始まりは、新緑のみずみずしい香りに包まれながら、大好きな菜の花をモチーフにした指輪を作っている。

庭先には、久しぶりに出会う小花たちが集い、色とりどりの賑わいを見せてくれている。

夜の間にしとしとと降った雨が、朝には柔らかな日差しへと移ろいでいく。

お二人の大切な婚約指輪をお作りするために、まるで用意されていたかのような、屋久島の祝福に満ちた日々だ。

 

ハイビスカスもユリの花も。紫陽花にツユクサ、ひまわり、コスモス、ツワブキに山茶花、山桜。

名前も知らない花たちにも、たくさん出会える。

そしてもちろん、菜の花も。

季節折々の美しい花々に触れられるのは、島で暮らすことの何よりの喜びだ。

ジュエリー作りの憧れはいつも、庭先にあるように思う。

 

さて、アトリエでは、イエローゴールドの板を切り抜いて、小さな三つの花をかたどった。

その表面を鉄鋼ヤスリで削り出しながら、輪郭にやわらかな表情を与えていく。

 

花の大きさは、7mmから5mmほどなので、実際よりも少し小さいくらいだろうか。

風にゆらめく繊細な雰囲気をそのままに、しっかりとした強度も持たせながら、ひとつひとつ丁寧に仕上げていく。

 

菜の花は、集まるように咲く佇まいが、なんとも愛おしい。

まだ寒さの残る3月の雨上がり。お気に入りの菜の花畑まで出かけると、視界いっぱいに煌めく黄色が広がり、ふわりと心癒される。

その時間のひとひらを、ジュエリーに変えてお届けできればいいと思う。

 

イエローゴールドでかたどった三つの花には、緩やかなカーブをつけ、紙やすりで丁寧に表面を磨き上げた。

それぞれの花が、指の上にキュッと寄り添うように、リングを仕立て上げてゆく。

春の記憶を辿りながら、一つ一つ、タッチを進めていこう。

 

これまで何度も作ってきたモチーフではあるけれど、

生まれてくる造形に、お二人との出会いや島の季節が色濃く映し出されるところに、手作業の面白さがあるように思う。

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屋久島からお二人へ、オーダーメイドで結婚指輪をお届けしています #屋久島でつくる結婚指輪

 

屋久島からお届けするオーダーメイドの結婚指輪、お二人の素敵な物語と。

 

 

屋久島のアトリエから皆さまへ。

 

オーダーメイドの結婚指輪作りは、お二人とご一緒させていただきながら、ゆっくりと時間をかけた手作業となりますが、末長くご愛用いただけるよう、心を込めてお作りしています。

 

海の向こうに暮らすお二人とは、メールやお電話でデザインのご相談を重ね、サンプルリングをお送りして、大切な指輪作りのサポートをさせていただいています。

もちろん、屋久島のアトリエにお越しいただき、直接ご相談いただくことも大歓迎です。

 

 

屋久島の季節に包まれて、

穏やかな心地でお作りした結婚指輪です。

昔ながらの手作業で、じっくりと丁寧に仕上げました。

 

お二人の暮らしに、ずっと寄り添ってくれますように。

生産と品質

糸鋸で金属の板や線を切り出し、コンコンと金槌で叩き、曲げ、火を当てて、また叩く――マリッジリングの制作は鍛金という技法によって一点ずつ丁寧に進められます。

 

制作開始から完成までの期間は約2ヶ月。

その間に、何度も細かな調整を行いながら、理想の形を追求します。

デザインの打ち合わせが1ヶ月で完了した場合、合計約3ヶ月でのお届けとなります。

挙式の日程などが既にお決まりの場合は、ご指定の納期にできる限り対応させていただきますので、前もってご相談いただけると幸いです。

 

price

Kei Nakamura Jewelleryでは、皆さま一人ひとりのお好みに合わせ、最高のジュエリーをご提案させていただいております。

お二人のライフスタイルに寄り添った、かけがえのないマリッジリング作りをお手伝いします。

オーダーメイドの指輪作りでは、使用する金属の種類や重さ、デザインの複雑さによって、指輪の価格が変動いたします。

同じデザインでも、シルバーよりもプラチナの方が高価になりますし、同じプラチナを使用しても、繊細なデザインの方が重厚なデザインよりもお手頃な価格になる傾向があります。

 

ご予算にあわせて、お好みのデザインや素材を重視して、などお二人のリクエストに合わせたご提案、制作を承っております。どうぞお気軽にご相談ください。

参考価格
silver ring 2本で¥120,000より 平均¥180,000程度
gold ring, platinum ring 2本で¥180,000から¥450,000 平均¥350,000程度

 

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長くお使いいただいて、お磨き直しをして、また長くお使いいただく、

そのようなリズムを繰り返す中で、ジュエリーはより味わいを深めていきます。

 

時間の経過そのものが一つの装飾となり、ジュエリーは世界に一つだけのものになるのかもしれません。

 

実は、お選びいただいたジュエリーが日々味わいを増してゆく時間に、メンテナンスという形で関わらせていただけることが、わたし自身の大きな楽しみでもあります。

 

わたし自身の手で、心を込めてメンテナンスの作業をさせていただきますので、何かあればぜひお声がけいただけると嬉しいです。

 

 

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インスタグラムでこれまで作ったジュエリーを見ていただけます!

 

 

オーダーメイドジュエリーのカタログはこちらから

 

5月のひかり。屋久島からお届けするシルバーの結婚指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

島に、センダンの花が咲く季節です。

5月の結婚式に合わせてご依頼いただいた、オーダーメイドの結婚指輪が完成しました。

 

風に漂う、ほのかに甘い香りの中で、

シルバーが透き通るように輝いていました。

 

結婚式にリングをつけていただけるように、

お二人と、ここまで一緒にオーダーメイドを進めてきたので、喜びもひとしおです。

完成とともに咲いた、この可憐な花が、

まるで島に降り注ぐ祝福のように感じられました。

 

木々の緑が生き生きと茂り、花々が咲き誇る季節に開かれる結婚式は、
きっと、とても素敵だろうなあ。

 

木漏れ日の中で、リングをそっと手に取ってみると、

緩やかにカーブを描くフォルムが、ぴたりと重なり合いました。

 

木々のフィルターを通り抜けて届く陽光を受けて、シルバーが爽やかに輝いています。

 

リングの表面は丸く、手触りはとてもやわらか。

側面には平らな面をしっかりと設け、シャープで、すっきりとした印象に仕立てました。

 

手の中に、どこか懐かしく、親密な響きを感じられるのは、

シルバーが持つ、特有のやさしい質感によるものなのかもしれません。

 

お二人とは、指輪作りの始まりに、一度お電話でお話しすることができたので、

出来上がったシルバーリングの、やさしい雰囲気がとてもお似合いだろうなあと、嬉しくなりました。

 

あるいは、この指輪は、

お二人から伝わってきた、響きのようなものに静かに育まれて、生まれてきたのかもしれません。

 

「これから自然の中で暮らしていこうと考えています」と、お二人が伝えてくれました。

「田舎暮らしでは、手を使う作業が多いので、メンテナンスしやすいデザインにしておきましょう」と、わたし。

 

初めてお話ししたお二人が、なんだかとても近しい仲間のように感じられて、指輪作りのイメージがすっと広がっていったのをよく覚えています。

 

指輪作りが紡いでくれた、素敵な出会いに、ありがとう。

 

屋久島の西側。川沿いにあるお気に入りのセンダンの木の下から、ふと山々を見上げると、

五月の日差しが眩しくて、思わず目を細めました。

新緑の色彩が、心に満ちてきます。

 

ご結婚おめでとうございます!

新しく始まるお二人の時間が、どこまでも自由に紡がれてゆきますように。

 

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制作編

春の花とシルバーリング。無垢な手触りと宿る強さについて #屋久島でつくる結婚指輪

雨の日に眺めるプラチナリングのきらめき #屋久島でつくる結婚指輪

お二人のプラチナリングの造形作業がひと段落したのは、昼過ぎから降り出した雨が、少しずつ強さを増してきた頃でした。

これは本格的になってきそうだと感じて、その前にリングを手に取り、軒先へ出てみました。

 

宿っては落ちてを繰り返す雨のしずくを眺めていると、不思議と心が落ち着いてきます。

この雨で、植物たちもひとまわり大きく育ったような気がして、ふと足元に目をやると、、、

大好きな白詰草が、ポツリポツリと芽吹いていました。

嬉しくなって、小さな雫を抱いた葉のそばで、そっとリングを手に取ってみると、

雨の薄暗がりの中に、プラチナの静かな輝きを、たしかに感じることができました。

 

彼女の2.3mm幅、彼の2.6mm幅。お揃いのラウンドシェイプで仕立てています。

リングには、このあと光沢仕上げを施すことになっているのですが、

潤う煌めきを宿したプラチナは、あるいは雨の雫のような、光をたたえた揺らぎに似ているのかもしれません。

 

お二人と相談を重ねてきた彫刻模様を施し、そして天然石をセットして生まれる一つだけの表情を思い描くと、胸が高鳴ります。

 

けれども、その美しい指輪については、また別のお話で。

屋久島から大阪に暮らすお二人にお届けするマリッジリングの完成は、もう少し先のお楽しみに。

 

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制作編

雨のち晴れ。今日も少しずつ #屋久島でつくる結婚指輪

雨のち晴れ。今日も少しずつ #屋久島でつくる結婚指輪

雨降りの朝だった。

穏やかに降り注ぐ、春の雨だ。

 

ちょうどこの日は、1日を制作に充てる予定だったから、なんだか嬉しくなった。

屋久島ならではの潤いに包まれる、雨の日の制作がとりわけ好きだ。

 

窓の向こうの緑は、しっとりとその色を深めて、
こぼれ落ちそうなほどの雫を抱いたハイビスカスの赤が、ひときわ鮮やかに浮かび上がっていた。

 

お二人の結婚指輪作りは、プラチナリングの削り出し作業を始めたところまでを書きました。

森の響き。ラウンドシェイプのプラチナリング。#屋久島でつくる結婚指輪

 

シンプルを特別に。

お二人とともに目指してきたのは、快適な付け心地と、そこにそっと宿る装飾の美しさであったように思う。

 

これから毎日をともに過ごす結婚指輪だからこそ、
まるで体の一部のように感じられる、やわらかでフレンドリーな時間をお届けしたい。

 

さて、

シンプルさの中に、自然な質感や手仕事の温もりが感じられる造形とは、いかに。

造形作業がひと段落した彼女のリングを横に置き、彼のリングを削り出す。

表面を、丸く、柔らかく。

二本のリングの呼吸をぴたりと合わせるように、同じフォルムへと整えていく。

 

手の大きさに合わせて、彼のリングは少し幅を広くすることにした。

見た目にはほとんどわからない程度だけれど、ほんの少しだけ厚みも持たせている。

 

今年の始まり、冬のアトリエでお会いしたお二人の印象を思い描きながら、

少しずつ、少しずつ。同じタッチを繰り返していく。

そのようなシンプルな作業を、ただ続けるうちに、心がすーっと平らになっていくのがわかった。

 

リングの内側の造形は、とくに大切にしたいところ。

指にふれる内側にも、鉄鋼ヤスリを入れ、丸く、柔らかな曲面を作り出しておく。

 

気がつけば、山々の上には青空が広がっていた。

窓を開けると、南国特有の湿度がふわりと部屋の中に入り込んでくる。

5月の甘い香りが漂っている。

わたしは、ずっと遠くを眺めながら、大きく深呼吸をする。

なんだか、とても淡々と、

満ち足りた時間が過ぎていくのであった。

 

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