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屋久島の季節に憧れて、菜の花をモチーフにした婚約指輪を作っています #屋久島でつくる結婚指輪

5月の始まりは、新緑のみずみずしい香りに包まれながら、大好きな菜の花をモチーフにした指輪を作っている。

庭先には、久しぶりに出会う小花たちが集い、色とりどりの賑わいを見せてくれている。

夜の間にしとしとと降った雨が、朝には柔らかな日差しへと移ろいでいく。

お二人の大切な婚約指輪をお作りするために、まるで用意されていたかのような、屋久島の祝福に満ちた日々だ。

 

ハイビスカスもユリの花も。紫陽花にツユクサ、ひまわり、コスモス、ツワブキに山茶花、山桜。

名前も知らない花たちにも、たくさん出会える。

そしてもちろん、菜の花も。

季節折々の美しい花々に触れられるのは、島で暮らすことの何よりの喜びだ。

ジュエリー作りの憧れはいつも、庭先にあるように思う。

 

さて、アトリエでは、イエローゴールドの板を切り抜いて、小さな三つの花をかたどった。

その表面を鉄鋼ヤスリで削り出しながら、輪郭にやわらかな表情を与えていく。

 

花の大きさは、7mmから5mmほどなので、実際よりも少し小さいくらいだろうか。

風にゆらめく繊細な雰囲気をそのままに、しっかりとした強度も持たせながら、ひとつひとつ丁寧に仕上げていく。

 

菜の花は、集まるように咲く佇まいが、なんとも愛おしい。

まだ寒さの残る3月の雨上がり。お気に入りの菜の花畑まで出かけると、視界いっぱいに煌めく黄色が広がり、ふわりと心癒される。

その時間のひとひらを、ジュエリーに変えてお届けできればいいと思う。

 

イエローゴールドでかたどった三つの花には、緩やかなカーブをつけ、紙やすりで丁寧に表面を磨き上げた。

それぞれの花が、指の上にキュッと寄り添うように、リングを仕立て上げてゆく。

春の記憶を辿りながら、一つ一つ、タッチを進めていこう。

 

これまで何度も作ってきたモチーフではあるけれど、

生まれてくる造形に、お二人との出会いや島の季節が色濃く映し出されるところに、手作業の面白さがあるように思う。

屋久島でつくる結婚指輪

オーダーメイドのお問い合わせはこちらまで
hp@kei-jewellery.com
tel: 0997-47-3547

屋久島からお二人へ、オーダーメイドで結婚指輪をお届けしています #屋久島でつくる結婚指輪

 

屋久島からお届けするオーダーメイドの結婚指輪、お二人の素敵な物語と。

 

 

屋久島のアトリエから皆さまへ。

 

オーダーメイドの結婚指輪作りは、お二人とご一緒させていただきながら、ゆっくりと時間をかけた手作業となりますが、末長くご愛用いただけるよう、心を込めてお作りしています。

 

海の向こうに暮らすお二人とは、メールやお電話でデザインのご相談を重ね、サンプルリングをお送りして、大切な指輪作りのサポートをさせていただいています。

もちろん、屋久島のアトリエにお越しいただき、直接ご相談いただくことも大歓迎です。

 

 

屋久島の季節に包まれて、

穏やかな心地でお作りした結婚指輪です。

昔ながらの手作業で、じっくりと丁寧に仕上げました。

 

お二人の暮らしに、ずっと寄り添ってくれますように。

生産と品質

糸鋸で金属の板や線を切り出し、コンコンと金槌で叩き、曲げ、火を当てて、また叩く――マリッジリングの制作は鍛金という技法によって一点ずつ丁寧に進められます。

 

制作開始から完成までの期間は約2ヶ月。

その間に、何度も細かな調整を行いながら、理想の形を追求します。

デザインの打ち合わせが1ヶ月で完了した場合、合計約3ヶ月でのお届けとなります。

挙式の日程などが既にお決まりの場合は、ご指定の納期にできる限り対応させていただきますので、前もってご相談いただけると幸いです。

 

price

Kei Nakamura Jewelleryでは、皆さま一人ひとりのお好みに合わせ、最高のジュエリーをご提案させていただいております。

お二人のライフスタイルに寄り添った、かけがえのないマリッジリング作りをお手伝いします。

オーダーメイドの指輪作りでは、使用する金属の種類や重さ、デザインの複雑さによって、指輪の価格が変動いたします。

同じデザインでも、シルバーよりもプラチナの方が高価になりますし、同じプラチナを使用しても、繊細なデザインの方が重厚なデザインよりもお手頃な価格になる傾向があります。

 

ご予算にあわせて、お好みのデザインや素材を重視して、などお二人のリクエストに合わせたご提案、制作を承っております。どうぞお気軽にご相談ください。

参考価格
silver ring 2本で¥120,000より 平均¥180,000程度
gold ring, platinum ring 2本で¥180,000から¥450,000 平均¥350,000程度

 

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長くお使いいただいて、お磨き直しをして、また長くお使いいただく、

そのようなリズムを繰り返す中で、ジュエリーはより味わいを深めていきます。

 

時間の経過そのものが一つの装飾となり、ジュエリーは世界に一つだけのものになるのかもしれません。

 

実は、お選びいただいたジュエリーが日々味わいを増してゆく時間に、メンテナンスという形で関わらせていただけることが、わたし自身の大きな楽しみでもあります。

 

わたし自身の手で、心を込めてメンテナンスの作業をさせていただきますので、何かあればぜひお声がけいただけると嬉しいです。

 

 

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インスタグラムでこれまで作ったジュエリーを見ていただけます!

 

 

オーダーメイドジュエリーのカタログはこちらから

 

5月のひかり。屋久島からお届けするシルバーの結婚指輪 #屋久島でつくる結婚指輪

島に、センダンの花が咲く季節です。

5月の結婚式に合わせてご依頼いただいた、オーダーメイドの結婚指輪が完成しました。

 

風に漂う、ほのかに甘い香りの中で、

シルバーが透き通るように輝いていました。

 

結婚式にリングをつけていただけるように、

お二人と、ここまで一緒にオーダーメイドを進めてきたので、喜びもひとしおです。

完成とともに咲いた、この可憐な花が、

まるで島に降り注ぐ祝福のように感じられました。

 

木々の緑が生き生きと茂り、花々が咲き誇る季節に開かれる結婚式は、
きっと、とても素敵だろうなあ。

 

木漏れ日の中で、リングをそっと手に取ってみると、

緩やかにカーブを描くフォルムが、ぴたりと重なり合いました。

 

木々のフィルターを通り抜けて届く陽光を受けて、シルバーが爽やかに輝いています。

 

リングの表面は丸く、手触りはとてもやわらか。

側面には平らな面をしっかりと設け、シャープで、すっきりとした印象に仕立てました。

 

手の中に、どこか懐かしく、親密な響きを感じられるのは、

シルバーが持つ、特有のやさしい質感によるものなのかもしれません。

 

お二人とは、指輪作りの始まりに、一度お電話でお話しすることができたので、

出来上がったシルバーリングの、やさしい雰囲気がとてもお似合いだろうなあと、嬉しくなりました。

 

あるいは、この指輪は、

お二人から伝わってきた、響きのようなものに静かに育まれて、生まれてきたのかもしれません。

 

「これから自然の中で暮らしていこうと考えています」と、お二人が伝えてくれました。

「田舎暮らしでは、手を使う作業が多いので、メンテナンスしやすいデザインにしておきましょう」と、わたし。

 

初めてお話ししたお二人が、なんだかとても近しい仲間のように感じられて、指輪作りのイメージがすっと広がっていったのをよく覚えています。

 

指輪作りが紡いでくれた、素敵な出会いに、ありがとう。

 

屋久島の西側。川沿いにあるお気に入りのセンダンの木の下から、ふと山々を見上げると、

五月の日差しが眩しくて、思わず目を細めました。

新緑の色彩が、心に満ちてきます。

 

ご結婚おめでとうございます!

新しく始まるお二人の時間が、どこまでも自由に紡がれてゆきますように。

 

屋久島でつくる結婚指輪

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制作編

春の花とシルバーリング。無垢な手触りと宿る強さについて #屋久島でつくる結婚指輪

雨の日に眺めるプラチナリングのきらめき #屋久島でつくる結婚指輪

お二人のプラチナリングの造形作業がひと段落したのは、昼過ぎから降り出した雨が、少しずつ強さを増してきた頃でした。

これは本格的になってきそうだと感じて、その前にリングを手に取り、軒先へ出てみました。

 

宿っては落ちてを繰り返す雨のしずくを眺めていると、不思議と心が落ち着いてきます。

この雨で、植物たちもひとまわり大きく育ったような気がして、ふと足元に目をやると、、、

大好きな白詰草が、ポツリポツリと芽吹いていました。

嬉しくなって、小さな雫を抱いた葉のそばで、そっとリングを手に取ってみると、

雨の薄暗がりの中に、プラチナの静かな輝きを、たしかに感じることができました。

 

彼女の2.3mm幅、彼の2.6mm幅。お揃いのラウンドシェイプで仕立てています。

リングには、このあと光沢仕上げを施すことになっているのですが、

潤う煌めきを宿したプラチナは、あるいは雨の雫のような、光をたたえた揺らぎに似ているのかもしれません。

 

お二人と相談を重ねてきた彫刻模様を施し、そして天然石をセットして生まれる一つだけの表情を思い描くと、胸が高鳴ります。

 

けれども、その美しい指輪については、また別のお話で。

屋久島から大阪に暮らすお二人にお届けするマリッジリングの完成は、もう少し先のお楽しみに。

 

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制作編

雨のち晴れ。今日も少しずつ #屋久島でつくる結婚指輪

雨のち晴れ。今日も少しずつ #屋久島でつくる結婚指輪

雨降りの朝だった。

穏やかに降り注ぐ、春の雨だ。

 

ちょうどこの日は、1日を制作に充てる予定だったから、なんだか嬉しくなった。

屋久島ならではの潤いに包まれる、雨の日の制作がとりわけ好きだ。

 

窓の向こうの緑は、しっとりとその色を深めて、
こぼれ落ちそうなほどの雫を抱いたハイビスカスの赤が、ひときわ鮮やかに浮かび上がっていた。

 

お二人の結婚指輪作りは、プラチナリングの削り出し作業を始めたところまでを書きました。

森の響き。ラウンドシェイプのプラチナリング。#屋久島でつくる結婚指輪

 

シンプルを特別に。

お二人とともに目指してきたのは、快適な付け心地と、そこにそっと宿る装飾の美しさであったように思う。

 

これから毎日をともに過ごす結婚指輪だからこそ、
まるで体の一部のように感じられる、やわらかでフレンドリーな時間をお届けしたい。

 

さて、

シンプルさの中に、自然な質感や手仕事の温もりが感じられる造形とは、いかに。

造形作業がひと段落した彼女のリングを横に置き、彼のリングを削り出す。

表面を、丸く、柔らかく。

二本のリングの呼吸をぴたりと合わせるように、同じフォルムへと整えていく。

 

手の大きさに合わせて、彼のリングは少し幅を広くすることにした。

見た目にはほとんどわからない程度だけれど、ほんの少しだけ厚みも持たせている。

 

今年の始まり、冬のアトリエでお会いしたお二人の印象を思い描きながら、

少しずつ、少しずつ。同じタッチを繰り返していく。

そのようなシンプルな作業を、ただ続けるうちに、心がすーっと平らになっていくのがわかった。

 

リングの内側の造形は、とくに大切にしたいところ。

指にふれる内側にも、鉄鋼ヤスリを入れ、丸く、柔らかな曲面を作り出しておく。

 

気がつけば、山々の上には青空が広がっていた。

窓を開けると、南国特有の湿度がふわりと部屋の中に入り込んでくる。

5月の甘い香りが漂っている。

わたしは、ずっと遠くを眺めながら、大きく深呼吸をする。

なんだか、とても淡々と、

満ち足りた時間が過ぎていくのであった。

 

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