1週間の東京滞在から屋久島に戻り、
朝一番で海に向かった。
北の風、北西のうねり。
ビーチにはちょうど冬の波が打ち寄せていて
何本か形の良い波を選んで乗るうちに、すーっと島の時間に馴染んでいく。
波のリズム。島のリズム。
このあとアトリエに戻って、結婚指輪作りの最後の仕上げを予定をしていたのも、ちょうど良いタイミングに感じることができた。
お二人の結婚指輪は海や空をイメージしてデザインしたものなのです。
“horizon ring” in platinum and yellow gold
彼女のリングは緩やかな波のように。
彼のリングは水平線のように。
プラチナとゴールドを組み合わせると、
境界線にお二人のリズムが現れました。
そういえば確かに、それぞれにぴったりのリズムだなあと、
出来上がったリングを前に彼と彼女のことを思い出していた。
お二人は岩手より海を越えて屋久島に来てくれて、
しずくギャラリーでお会いすることができました!
岩手と屋久島、それまではずっとメールでデザイン作りのやり取りをしていたので、最初の挨拶を交わした時はなんだか少し照れくさかったなあ笑
梅雨の終わり、夏の初めのことでした。
水平線のような、波打ち際のような
お互いの好きを基調とした、お揃いのリングでありますが、
もう一つ秘密がありまして。
リングの内側、見えますでしょうか?
お揃いのシダ模様。
「シンプルにシダの葉を一枚ずつ。内側に彫刻したいです」と彼女。
「うん、それはいいね」と彼。
しずくギャラリーでお会いした時、お二人が息ぴったりでチョイスしてくれたのがとても印象に残ってます。
外からは見えないけれども、お二人だけが知っているシダ模様が
約束のようでもあって、とても素敵だと思う。
ずっと歩いて行けそうだった光の道。
永遠を感じた瞬間。
海を、光を、空を映しこんだコンビネーションリング。
指輪作りでは時々曲がり道もあったりで、
長い時間がかかったけれど、
海の向こうからお二人にずっと励ましてもらいながら
優しさに包まれながらここまで歩んできた。
わたくしごととなりますが、
お二人とご一緒できたこの数ヶ月は私自身にとって掛け替えのない時間となりました。
フェイスブックでお互いの近況に“like”しながらの日々も楽しかったですね。
お二人に溢れるほどの“love”を!
そうそう、
1週間ぶりに島に帰ると、僕の大好きなツワブキの花が咲き始めていたのですよ。
遠く離れていますが、花束がわりに。
たくさん愛情をいただいた指輪作りにありがとう。
感謝の気持ちでいっぱいです。
制作編