夏になると1日の始まりが早い。
目を覚ました頃にはもう庭先に陽光が差し込み始め、世界はその活動を力強く始めていた。
夜の間には雨が降ったのだろう。
植物たちに宿る雫が宝石のようでとても美しかった。
色鮮やかな夏、爽やかな夏。
屋久島に癒されながらお二人の結婚指輪を作っています。
雨の雫が生み出すリズムだったり、空に広がる色彩のグラデーションだったり、造形への憧れのようなものはいつも屋久島の暮らしの中にある。
どうすればここに近づくことができるのだろうか、と。
ずっと変わらず夢中になっている。
さて、
お二人の結婚指輪づくりはその工程もいよいよ後半へと。
彼女のリングにヤスリを入れて造形作業を進めていく。
ゴールドとプラチナのコンビネーションは海と空が出会う境界線のイメージだ。
3.5mm幅のリングは手の中でとても心地よい。
彼のリングと同じリング幅、同じ素材のデザインではあるけれど、サイズを変えて、厚み(高さ)を変えて。
彼女の指先にフィットするように細やかな変化を与えておかなくてはならない。
ここまでは手を休めることなく一気に表面を削り続けた。
一旦手を動かし始めると小さなリングからは目を離すことができない、なかなか根気のいる作業だった。
その甲斐あってリングには均一なバランスが生まれていた。
間違いなく一度だけとなるタッチの数々を丁寧に施すこすことができたように思う。
そこには職人としての純粋な喜びを感じることができた。
お二人のリングに宿り始めた小さな息吹をしっかりとキャッチしながら、今日も作業机に向かっている。
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