朝のうちあれだけ激しく降っていた雨が、
お二人がしずくギャラリーに到着した途端、ピタリと止んだ。
相当な植物博士でもある彼は、
ギャラリー庭に到着してすぐ、川沿いのモンステラ群を見逃さなかった。
「川に降りてもいいですか?」
「もちろん!滑らないように気をつけてくださいね」
とお二人が素敵な木陰を見つけたワンシーン。
今日は京都から海を越えて来てくれたお二人と結婚指輪の相談会でした。
夏の日差しが眩しかった。
今日のインスピレーション。
「ほんの少し指輪の話してきました」
と言ってくれたお二人でしたが、
お気に入りのデザインを見つけるまでがほんと早かった!
彼と彼女それぞれの好みがあって、
それをまとめて一つにするテンポがよくって、
いつもこんな調子でリズミカルに選択して、一緒の時間を進んでいるのだろうなと思った。
聞くと、屋久島入りの際に飛行機のトラブルがあって、
お二人は急遽、迷うことなく、高速船にスイッチして屋久島まで渡ってきたという。
二人って素敵です。
一人の時よりも、二人でいる時の方がずっとスムーズになることがいっぱいある。
お二人の大好きなモンステラに囲まれての結婚指輪の相談会が終わって、
次はサンプルリングを京都に送る約束をして、
地元のトビウオ関係のお昼ご飯を食べに行くお二人を見送って、
少しの間、
オレも川辺でゆっくりすることにした。
そういえば、次に始まるジュエリー作りの素材も持ってきてることだし!
水面のゆらゆら。
プラチナとプラチナ、そしてイエローゴールド 。
こちらはこれから作る結婚指輪作りの素材となるものでして、
彼と彼女、2本のリングだけど、3種類の素材を使って作ることになっているんです。
お二人の指輪作りのテーマが水面のキラキラだったこともあって、
ここでの時間に心地よいインスピレーションをもらうことができました。
しばらくのんびりしていると
ご近所のカンノさんがとれたてのパッションフルーツを持ってきてくれて、
大喜びでアトリエに持って帰り、
早速、二つの割ってスプーンですくっていただきました。
ムッチャ酸っぱい!でも甘い!!
パッションフルーツの香りに夏のテンションをさらに感じ、
これから始まる指輪作りのワクワクをさらに高めた。
さあ、いよいよだ。
まずは最初の第一歩。
プラチナとゴールドをくるりと巻いて、
リング状とし、
お目当のサイズとなるように糸鋸で長さを調節してゆきます。ガリガリ。
こちら二つの素材で作るのはレディースのリング。
「屋久島を訪れた際に印象的だった水面の表情を描くようなリングをイメージしています」
初めてお電話いただいた時、彼女がシチュエーションを詳しく伝えてくれました。
瞬間、なんとなくその場所のことがわかりましたよ!
私が思い描いたのは、
キラキラと儚くも、とても力強さに満ちた、温かみのあるシーンでした。
最後に今日のキラキラを。