屋久島でもなかなか暑い日が続いているのだけれど、森のイメージがあるとずいぶん助かる。数日前に訪れた白谷の森の涼やかさがまだ体の一部に響いている。
「お二人がお気に入りだったシャンパンゴールドとプラチナを両方使ったコンビネーションのデザインです。
風と波、シャンパンゴールドとプラチナ、そしてお二人と。重なり合い一つになるリズムがモチーフになっています。」
デザイン作りの始まりに生まれた言葉を置いておこう。
自然や私たちの暮らしの中にあるリズムとは。果てしない巡りと奇跡のような出会いを経てお二人だけの造形が生まれるだろうか。
きっとこのタイミングで出会わなかったら全く別のものになったかもしれないな、と思えるジュエリー作りが時々ある。それは愚然のようでもあるけれど、だからこそいっそう必然に感じられるような。お二人との結婚指輪作りはまさにそんな時間の中にあると思う。細くて透明な、でもとても確かな糸を辿るように作業のタッチを進める日々だ。
そして実際の形となりつつあるリングが手の中にある。
まだまだ作業途中ではあるけれど、息吹を帯び始めたその表情を小さな感動とともに眺めている。
彼女のリングは細くて軽やかに。プラチナから始まってぐるりとシャンパンゴールドに変化してゆくフロー感。
リングには特に中心となるポイントはない。眺める場所によって印象が変わるので、クルクルと動きが楽しいデザインだと思う。
火を使う作業はひとまず終了したので、ほっと一安心。手の中でほんと色々な出来事が起こって右に曲がったり左に曲がったりして行き先を調整しながらたどり着いた造形は世界で一つしかないと思う。金属は素晴らしい。奇跡みたいなリングが、この先ずっとお二人の暮らしに寄り添ってくれるのだから。
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